<strong>10月は年初来高値を更新する強い動き、一方相場には過熱感も出始める</strong>【bitbankチャート分析】

ビットコイン日足チャート

bitbnak.ccより作成
  • 10月のビットコインは買いが先行して取引が始まりました。価格は406万円で推移していました。日足は短期の移動平均線(14EMA)と一目均衡表の雲の上位に位置しており、強気トレンドの示唆がありました。月の前半は420万円がレジスタンスとなり、一時、長期移動平均線(53EMA)を試す展開となりました。
    一方、400万円近辺からは底堅い動きとなり、買い戻しが入るようになりました。10月の3週目からは底堅い推移が復活し、ビットコインの現物ETFが承認されたとのニュースが市場に伝わると価格は急騰しました。一方、ニュースは飛ばし記事であったことがわかると短期的な利確売りも発生しました。
  • テクニカルがすでに強気トレンドを示唆していたため、利確売りは短期に止まり価格の上昇は続きます。10月3週目の週足には10.2%上昇し、終値は448万円を記録しました。4週目に入ってもビットコイに対する買い入れは続き、価格は526万円まで上昇し、年初来高値を大きく更新しました。
    10月は100万円以上の上昇を記録しており、強い相場となりました。オシレーターのMACDは10月16日にゴールデンクロスが発生し、現在も遅行線を上回って推移しています。日足チャートは依然として強気トレンドを示しています。

ビットコイン週足チャート

bitbnak.ccより作成
  • 10月の週足は2週連続の陰線となっていました。8月の高値近辺で一時的に上値を抑えられる動きが見られました。一方、3週目以降はかなり強い値動きとなり、一方的に上昇しました。3週目には6月に記録した450万円近辺まで上昇し、4週目に高値を大きく更新しました。4週目の週足は、15%近く上昇したにもかかわらず、ほとんど上髭がない状態の週足となりました。買いが非常に強いことを示しています。
    一方でチャート下部のRSIは買われすぎを示す70を超えてきています。今年は69まで上昇する場面がありましたが、70を超えたのは2021年以来の水準となります。2週連続で大きく上昇した影響から、相場には過熱感も出てきています。来月は利確売りに押される場面も出てくることが予想されます。

デリバティブ市場

glassnodeより作成
  • 上記はビットコインの無期限先物取引におけるファンディングレート(FR)のチャートになります。FRを見ると10月3週目の上昇以降に一時マイナスとなっており、ショートポジションの比率が上昇しました。3万ドル手前でショートポジションを持つ投機筋が多くいたようです。一方、このショートポジションが燃料となり、3万ドルを超えたところで価格が急騰しました。
    現在は多くのショートポジションが狩れたとみられ、FRがプラスとなっています。ロングポジションの比率が上がっており、今後は上値の重しとなる可能性があります。

glassnodeより作成
  • 上記は3カ月先の先物価格と現物価格の乖離率を表しています。10月前半は3%近くまで下落する場面があり、デリバティブ市場で投機熱は減退していました。一方、足元では価格の上昇をきっかけに乖離率は拡大傾向にあります。
    現在は6%まで上昇しており、ロングポジションが積まれていることがわかります。FR同様に先物取引も買われており、相場には徐々に過熱感が出ています。

株式市場動向

Tradingviewより作成
  • 上記は米株式市場の主要株式インデックスであるS&P500とナスダックのチャートになります。こちらは7月以降、下落トレンドが続いています。アメリカでは長期金利が上昇している影響もあり投資需要が減退傾向です。ビットコインと株式市場は相関性が強く、現在は似た動きとなっていませんが、株価がこれ以上下落した場合、長期的にはビットコイン相場の重石となるでしょう。
    投資環境は芳しくない状態となっており、11月以降もビットコインの強い上昇トレンドの継続を予想するには、株式市場の反発を確認する必要があるでしょう。


|編集:CoinDesk JAPAN編集部
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