複数の大手マーケットメイキング会社が、規制当局がビットコインETFを承認した場合、ブラックロック(BlackRock)のビットコインETFに流動性を提供する可能性がある。この件に詳しい関係者が語った。
トレーディング大手のジェーン・ストリート(Jane Street)、バーチュ・ファイナンシャル(Virtu Financial)、ジャンプ・トレーディング(Jump Trading)、ハドソン・リバー・トレーディング(Hudson River Trading)が、マーケットメイキングについてブラックロックと協議しているという。
ブラックロック、ジェーン・ストリート、バーチュ・フィナンシャル、ジャンプ・トレーディングはコメントを控えた。ハドソン・リバー・トレーディングからは返答がない。
FTXの破綻など2022年の不祥事を受け、米証券取引委員会(SEC)は暗号資産に対する取り締まりを強化。ブルームバーグは5月初め、ジェーン・ストリートとジャンプ・トレーディングが暗号資産取引を縮小したと報じた。
だが、世界最大の資産運用会社ブラックロックをはじめとする十数件のビットコインETF申請をSECがたとえ一部でも承認すれば、アメリカを拠点とするマーケットメイキング企業(マーケットメーカー)にとっては、従来の強みを生かした形で暗号資産に参入する新たな道が開けることになる。株式と同じように取引所で取引されるETFのマーケットメイキングを行うには、比較的少数の企業しか持ち得ない高度な技術と自動化が欠かせない。
ETFにとって、マーケットメイキング企業は不可欠な存在。ETFの新規発行と償還を担当し、ETF価格を裏付け資産(この場合はビットコイン)と連動させる役割をマーケットメイキング企業は担う。
「取引所に対する厳しい取り締まりがあったため、複数のマーケットメイキング企業は手を引き、かなり慎重になっていた」と暗号資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)のリサーチ責任者、ジェームス・バターフィル(James Butterfill)氏は語った。
「しかし、対グレイスケール(Garyscale)の裁判で敗訴して以来、SECのスタンスは大きく変化している」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN
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|原文:BlackRock’s Bitcoin ETF Might Have Trading Support of Heavyweights Like Jane Street, Jump and Virtu: Source