- マーシャル諸島は、DAO法人化のグローバルハブとなるための取り組みをさらに進めた。
- マーシャル諸島は先週、DAOを法人として認める既存の法律を強化した。
法案の起草者2人、デイビッド・ポール(David Paul)議員とMIDAOの共同創設者兼CEOのアダム・ミラー(Adam Miller)氏によると、マーシャル諸島共和国議会は先週、自立分散型組織(DAO)に関するすでに先進的な法律をさらに一歩進める法案を可決した。
MIDAOは、マーシャル諸島とマーシャル諸島の法人であるMIDAO Directory Servicesの間の官民パートナーシップ。MIDAOは、DAOとWeb3向けの登録機関のオフィスの拡張として機能する。
登録期間の短縮や責任の免除
ミラー氏はCoinDeskに対し、改正された2023年自立分散型組織法は「世界で最も包括的なDAO関連の法律」であり、「世界の他の地域にとってのDAO規制の青写真」となることが見込まれるため、2022年法とは異なると語った。
マーシャル諸島は2022年2月、世界で初めてDAOを法人として承認した。改正前の法律に基づき、マーシャル諸島は約100のDAOを法人化した。
改正前の法律では、DAOには取締役会は必要なく、記録はブロックチェーン上にあれば書面や紙である必要なく、1人を除いてDAOのメンバーは全員匿名でよいと規定されていた。匿名でないメンバーはマーシャル諸島に居住する必要はないが、本人確認(KYC)の詳細を提供する必要がある。
改正法では、30~60日だった登録期間が最大30日まで短縮され、改正前の法律の利点が強化されている。また、オープンソースソフトウェアを作成したという理由のみでDAOがその使用について責任を負うことはないとも規定されている。さらに、ミラー氏は、「生じ得る金融上の利益と異なる、経済的権利を付与しない場合には」との条件の下でほとんどのガバナンストークンが有価証券ではないと明示的に規定されていると指摘した。
マーシャル諸島でDAOを開設するには、MIDAO.orgにアクセスし、登録エージェントとしてMIDAOを採用してプロセスを完了する必要がある。DAOやDAOの指定のメンバーは、現地事務所を開設したり、現地の法律事務所と提携したりする必要がない。
シリーズDAO LLCを法制化
また、今回の改正により、マーシャル諸島はシリーズDAO LLC(Series DAO LLC)を世界で初めて法制化した。DAOでは、あるDAO内にサブDAOとも呼ばれるDAOを含める慣行がある。シリーズDAO LLCにより、サブDAOが個別の資産と負債を持つことが可能になる。
ミラー氏は、「これは、Web3、特にDAOに関連して世界中の弁護士が提起した主要な問題すべてに対処できるものであり、真に画期的な暗号資産法だ」と述べた。
マーシャル諸島は、アメリカの緊密な同盟国であり、地理的にはハワイとオーストラリアの間にある。アメリカの州とは異なり、米連邦法の適用を受けない一方で、米郵政公社(USPS)、連邦航空局(FAA)、米軍にアクセスできる。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Marshall Islands Further Strengthen’s Law That Made DAOs Legal Entities