三菱UFJ信託銀行、Ginco、Progmatは11月4日、暗号資産交換業者間の決済効率性向上を目的とした「暗号資産業界横断ステーブルコイン」の発行に向けた共同検討を開始したと発表した。
ステーブルコインの名称は、円連動型が「XJPY」、ドル連動型が「XUSD」。暗号資産業界におけるクロスボーダー取引での活用を狙い、2024年夏頃の発行を目指すという。基盤には、日本法に準拠したステーブルコインの発行・管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」を使う。
検討には3社のほか、最大手の暗号資産リクイディティ・プロバイダーであるカンバーランド・グローバル(Cumberland Global Limited)、国内暗号資産交換業者からビットバンク、メルコインも参画する。
ステーブルコイン発行の狙い
リリースによると、グローバルの暗号資産市場における暗号資産交換業者やリクイディティ・プロバイダー(暗号資産関連業者)間での資金決済は、ステーブルコイン取引が主流になっているものの、日本の事業者はまだ銀行送金での資金決済が主流。近年、こうした日本円での取引は月間数千億円に及び、今後も拡大が期待されている。
ただし、銀行送金には、取引時間の制約や送金コストなどの課題があり、「Progmat Coin」基盤を用いたステーブルコインブランドの1つとして、24時間365日取引可能なパブリックチェーン上のステーブルコイン「XJPY」「XUSD」を発行し、月間数千億円に及ぶ銀行送金をステーブルコインに置き換えることを狙っている。
このニュースは3日、日経新聞が先行して伝えていたが、日本発ステーブルコインの具体的な取り組みが明らかになった。
「信託型」で発行
6月に施行された改正資金決済法では、ステーブルコイン(電子決済手段)として、「銀行預金型」「資金移動型」「信託型」の3類型が想定されているが、「信託型」での発行を想定。リリースでは、信託型は「現時点で最も柔軟な設計が可能」と述べられている。
具体的な発行スキームは以下のとおり。
「XJPY」「XUSD」の発行は、2024年夏頃を目指す。また、ステーブルコインの利用者は制限せず、国内外の暗号資産関連業者の参画を随時受け付けるとしている。
|文・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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