イギリスの金融監視機関は、11月6日に発表したディスカッション・ペーパーで、ステーブルコインを規制する計画を共有した。
イングランド銀行(BoE)と金融行動監視機構(FCA)の提案は、イギリス政府が先週発表した暗号資産セクターを監督するための広範な計画に続くものだ。
ディスカッション・ペーパーは「新体制の開発における探索的段階」であり、規制当局はこれらの提案について利害関係者からのフィードバックを受けた後、最終的なルールの協議に入るとBoEは述べている。
また、BoEが金融の安定を乱す可能性があるほど広く流通する「システミックなステーブルコイン」を規制し、FCAはより広い暗号資産セクターを監督すると述べた。
フェイスブック(Facebook、現Meta)やペイパル(PayPal)のような大手テック企業によるステーブルコイン発行の提案と、昨年のステーブルコイン帝国テラの崩壊により、関連する規制が世界的に推進され、欧州連合(EU)と日本は最近、規制の内容を最終決定した。
暗号資産のハブになりたいと考えているイギリスは、6月にステーブルコインを同国の決済規制の範囲に入れることに成功した。法定通貨を裏付けとするステーブルコインの法制化は来年早々にも予定されている。
ステーブルコイン発行者の保護
BoEの計画は、英ポンド価値にペッグされたステーブルコインに焦点を当てており、これらのコインが決済に広く使用される可能性が高いと見なしているからだと同行はペーパーで述べている。
BoEのペーパーは11月6日、イギリスの健全性監督機構(Prudential Regulation Authority:PRA)が預金取扱業者に宛てた書簡とともに発表された。
PRAは、国内の金融機関が「感染」のリスクを軽減することを期待していると書簡の中で述べており、伝統的な預金者が利用できる保護と、ステーブルコインの利用者が利用できる保護は異なることを明確にしている。
「イングランド銀行が規制するシステミックな決済システムで使用されるステーブルコインは、電子マネーやFCAが規制する他のステーブルコインよりもリスクは低くなる」と書簡は述べている。
FCAの計画
一方、FCAはペーパーの中で、ステーブルコイン発行者はイギリス国内外で法定通貨に裏付けられたステーブルコインを流通させる認可を求める必要があることを明らかにした。FCAは、技術的な問題や流動性の問題にかかわらず、法定通貨に容易に換金できる 「適切な」 資産に裏付けられたステーブルコインの流通を求めている。
FCAはまた、規制対象のステーブルコイン発行者が「裏付け資産からの利子とリターン」から得られる収益を保持することを認めるべきであり、これは「ステーブルコインと預金の明確な区別」を設定するのに役立つと提案している。
「しかし、金利が高止まりしたり、大幅に上昇したりした場合(規制対象のステーブルコイン裏付け資産が顧客資産として保護されることが期待されていることを考慮すると)、これが消費者にとって不公平であると認識される可能性があることを我々は認識している 」とFCAは述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:UK Financial Watchdogs Publish Plans to Regulate Stablecoins