11月9日、規制下にあるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が、2年ぶりにバイナンス(Binance)に代わって、ビットコイン(BTC)先物取引所の最大手になった。
CoinGlassのデータによると、CMEは先物取引所および永久先物取引所の中でトップになり、建玉は約40億7000万ドル(約6105億円、1ドル=150円換算)で、過去24時間で約4%増加し、市場シェアは24.7%に達した。一方、バイナンスの建玉は38億ドル(約5700億円)で、同期間中に7.8%減少した。CMEはあらかじめ期限を決めた伝統的な先物取引を提供している。バイナンスや他の取引所では、従来型の先物取引と、永久契約や期限のない先物取引を提供している。
このランキングの変更は、価格が乱高下する中、暗号資産(仮想通貨)市場が大規模なレバレッジの洗い出しに耐え、ビットコインの建玉総額が120億ドル(約1兆8000億円)から20億ドル(約3000億円)減少したことで発生した。この下落は、CMEの市場参加者よりもバイナンスのトレーダーに大きな影響を与えた。
ビットコインはまず約3万8000ドルという1年半ぶりの高値まで急騰し、その後、「iシェアーズ・イーサリアム・トラスト(iShares Ethereum Trust)」という信託がデラウェア州に登録されたことを示す申請書が提出されたことで、3万6000ドルに向かって急反落した。同様の動きは、iシェアーズのオーナーであるブラックロックが6月にスポットBTC上場投資信託(ETF)を申請する前にも起きている。
CMEが今年に入ってから徐々にトップへと上昇した。これは最大かつ最古の暗号資産を取引したいという機関投資家の市場参加者の需要が高まっていることを浮き彫りにしており、重要な進展だ。ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)が2020年に発表した文書によると、CMEのビットコイン先物市場は一貫して統計的に有意にスポット市場をリードしているという。
「CMEは2023年のほぼ全期間にわたって市場シェアを拡大してきたが、BTCスポットETFの申請に関する市場の興奮が急上昇したため、こうした伸びは過去数週間でさらに強まった」と、機関投資家向け暗号資産取引所ファルコンX(FalconX)のリサーチ責任者であるデビッド・ローワント(David Lawant)氏は米CoinDeskへのメモで語った。
「CMEは、伝統的な大手金融機関のみが利用する場であることを考えると、このような顧客層からの暗号資産への関心がいかに高いかがわかる」とローワント氏は付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinGlass
|原文:CME Topples Binance as Top Bitcoin Futures Exchange as Crypto ETF Excitement Soars