14日、ETF（上場投資信託）への期待で上昇していた暗号資産（仮想通貨）市場が急落し、過去3カ月で最大のレバレッジを利用したロングポジションの清算が発生した。
データ分析会社コイングラス（CoinGlass）のデータによると、市場全体が大幅に下落したことにより、過去24時間でレバレッジを利用したロングポジションの清算が3億700万ドル（約460億5000万円、1ドル150円換算）を超えた。1日で清算されたロングの金額としては、ビットコイン（BTC）が数分間で2万8000ドル台から約2万5000ドル台まで急落した8月17日以来で最大となった。
予想を下回るインフレ率が発端
この日の清算は、10月のインフレ率が予想よりも低くかったことで株価が大幅に上昇し、債券利回りが大幅に低下したことを受けてリスク資産全般にプラスの環境だったにもかかわらず、ビットコインが4％下落して3万5000ドルとなった中で発生した。イーサリアム（ETH）が6％下落して2000ドルを下回るなど、下落は暗号資産全般に及んだ。
この動きは、資産価格の上昇によりレバレッジをかけたショートポジションの清算が発生する「ショートスクイーズ」が目立った過去数週間とは対照的だ。
9万人近くが清算
大規模な清算は、突然の下落がほとんどの投資家を不意を突いたことを示唆しており、トレーダー8万8667人が清算を受けたことがコイングラスのデータで示されている。最も多くの清算が発生したのはビットコインの1億3300万ドルで、次いでイーサリアムが約7000万ドルだった。
JPモルガン（JPMorgan）のアナリストらは先週のレポートで、投資家がビットコイン現物ETFの承認による価格への影響について過度に楽観的になっているため、最近の暗号資産価格の上昇は「行き過ぎ」ていると指摘していた。
｜翻訳・編集：林理南
｜画像：CoinGlass
｜原文：Crypto Bulls Hit by $300M in Liquidations as Bitcoin, Ether Buckle on Fizzling ETF Momentum
