エルサルバドル、保有ビットコインの赤字縮小か──毎日1BTC購入で試算

2022年11月、エルサルバドルのナイブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は国レベルで行うドルコスト平均法の計画を発表し、毎日1BTCを購入すると約束した。

ブケレ大統領の公式声明によると、エルサルバドルは当時既に平均価格約4万4300ドル(約664万5000円、1ドル150円換算)で購入した2381BTCを保有していた。当時の価格はわずか1万9000ドルで、損失は約6000万ドル(約90億円)に達していた。

平均購入価格の試算は4万1800ドル

それ以来、ブケレ大統領はエルサルバドルのビットコイン購入について沈黙を保っており、政府の公的記録がないため同国が保有するビットコインの正確な量は明らかではない。

エルサルバドルが過去1年間に実際に1日あたり1BTCを購入していたと仮定すると、CoinDeskの推定ではエルサルバドルの保有量は11月14日時点で合計2744BTCになる。各日のビットコイン価格の中央値に基づくと、平均購入価格は約4万1800ドルまで下がるとみられる。

現在のビットコイン価格を3万6000ドルとして計算すると、エルサルバドルのビットコイン保有による損失は約1600万ドルになる。

ブケレ大統領がビットコインの法定通貨化に動いて以来、国際通貨基金(IMF)は同国の経済成長と債務返済能力に対するリスクの増大について繰り返し警告してきた。ビットコイン保有による損失が多少あるものの、現時点では事態は良好な方向にあるようだ。

ブケレ大統領は世論調査でリード

エルサルバドル国債は8月中旬時点で年初来70%の上昇を記録しており、多くの大手銀行はさらなる上昇が見込まれるとの見方を示した。今月S&Pグローバルで同国の債務格付けはCCC+からB-に引き上げられた。ブケレ大統領は最近、2024年の大統領選に再選を目指して立候補する意向を表明しており、世論調査では圧倒的なリードを保っている。

国民がビットコイン標準の採用を急いでいるのかどうかについては疑問が残る。経済が国外からの送金に依存していることを考えると、チェックすべき点の1つはそこだろう。中央銀行のデータによると、2022年の国外からの送金70億ドルのうち、暗号資産ウォレットを利用したのはわずか1.2%だった。

|翻訳・編集:林理南
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|原文:El Salvador Remains in the Red on Bitcoin Holdings, But Losses Are Narrowing