カザフスタン国立銀行は15日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の試験運用を開始し、デジタルテンゲ(カザフスタンの通貨)を使った初のリテール決済が行われた。
実際の銀行と顧客が参加
公式発表によると、中央銀行は初のデジタルテンゲ発行を「パイロットモード」でローンチされたプラットフォーム上で行ったが、ティア2の銀行とその顧客という形で実際のユーザーが参加した。
CBDCのプラットフォームは暗号資産(仮想通貨)の基盤となるテクノロジーを活用しており、自動化されたブロックチェーンベースの決済用スマートコントラクトがテストされた。参加した銀行は、送金を容易にするためにデジタルバウチャーとカードを発行した。
15日には、カザフスタンにおけるデジタルテンゲの発行について調査するプロジェクトの結果も発表された。中央銀行当局者がCBDCによる最初の支払いのデモンストレーションを行ったと報じられている。
2025年末までに完全実施目指す
世界の金融機関は各国に対し、国家的なデジタル通貨の発行に関する法律の制定と研究の実施を繰り返し求めてきた。国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ(Kristalina Georgieva)専務理事は15日、CBDCは現金に代わる可能性があるもので、経済に金融のレジリエンス(回復力)をもたらすことができると述べた。しかし、主要国はこれまでのところ発行に関する決定を下すことを避けている。
カザフスタンは少なくとも2021年からCBDCの準備を進めてきた。
発表では、「サービスや利用シナリオ、プラットフォーム参加者の環境を拡大することで、2025年末までにデジタルテンゲの完全実施を完了する予定だ」とされている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Alexander Serzhantov/Unsplash
|原文:Kazakhstan Central Bank Marks Digital Tenge Pilot With First Retail Payment