振り返ってみれば、価格そのものはあまり重要ではない。当時重要だったのは、ビットコインが上昇していたことだ。集団的な信念に後押しされ、上昇していた。多くの人が、ビットコインは止まらない、皆が強く信じさえすれば10万ドルにすぐに到達すると本気で思っていた。だからこそのレーザーアイだった────今週公開したコラムや分析記事、インタビューなどから、週末に読みたい10本を厳選。
現代社会、最大のミステリー、ビットコインの生みの親「サトシ・ナカモト」とは?──NHKの新番組「市民X」、26日にBS1で完全版放映
ビットコインの生みの親「サトシ・ナカモト」は、ビットコイン(BTC)、さらには暗号資産(仮想通貨)に関心を持つ人たちにとって最大の謎。そして、ビットコインが良い意味でも悪い意味でも、広く多くの人に知られるにつれて、サトシ・ナカモトにも広く関心が集まっている。
世界最古、世界最大の暗号資産ビットコインを作ったのは、日本人だったのか? どのような人物だったのか?…続きを読む
ビットコインが最高値を更新してから2年──新たな波がやってくるのか、魂を失うのか
もっとシンプルだった時代のことを思い出してみよう。
2年前の2021年11月9日、ビットコインマキシマリスト(至上主義者)たちは赤いレーザーアイをしており(ビットコインに強気であることを示すためにSNSのプロフィール写真を赤いレーザービームを発する目に変更することが流行していた)、FTXは4億2000万ドルの資金調達ラウンドを終えたばかり。ドージコイン(DOGE)の大ファンであるイーロン・マスク氏が米人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』の司会を務めるかもしれないという噂もあった。…続きを読む
古株のブロックチェーン「ステラ(Stellar)」、スマートコントラクトを追加してイーサリアムに挑む
イーサリアムのようなスマートコントラクト・ブロックチェーンの分野はすでに競争が激化しているが、そこに新たな参入者が現れた。しかも、聞き覚えのある名前だ。
ステラ(Stellar)は9年の歴史を持つ、決済に特化したプロジェクトで、独自の開発者コミュニティを持ち、豊富な資金を持つ財団に支援され、送金大手マネーグラム(MoneyGram)と良好な関係を持っている。しかし、価値をAからBへ移動させるためにブロックチェーンが設計された時代に作られたもので、それ以上の機能は持たない。…続きを読む
TradFi(伝統的金融)が暗号資産の主役に──大規模シフトが始まる
暗号資産(仮想通貨)ネイティブから伝統的金融へと、暗号資産インフラの大規模なシフトが始まっている。だがそれはイデオロギーや「銀行口座を持たない人々に銀行サービスを」という新たな願い、あるいはオルタナティブ(代替)金融システムの推進が原動力ではない。伝統的金融の参入と、伝統的金融の引き込みという両方の力が作用している。
つまり、一方では、伝統的な金融機関がビジネスチャンスを見出し、この有望な資産クラスの分け前をめぐって、暗号資産に参入している。もう一方では、機関投資家が暗号資産ネイティブ企業に対する信頼を失ったため、伝統的金融機関をこの分野に引き込もうとしている。
そして伝統的金融機関は参入しているだけでなく、暗号資産ネイティブの取り分を奪い始めている。…続きを読む
税制改革も進めなければ、絵に描いた餅になる──自民党web3PT第1回「DAOルールメイクハッカソン」議事要旨
自由民主党デジタル社会推進本部web3プロジェクトチーム(web3PT)は11月15日、DAO(分散型自律組織)に関する法律のあり方について議論する「DAOルールメイクハッカソン」の第1回目を開催した。
ハッカソンは、最初に日本におけるDAO(分散型自律組織)の現状を把握するために、全国からDAOをベースにさまざまな取り組みを行っている事業者、DAOに関するソリューションを提供している事業者などがその取り組みをプレゼンテーション。その後、事業者とweb3PT、さらにはDAOに関心を持つ議員、省庁からの参加者を交えて課題や問題点を議論する形で進められた。…続きを読む
会計・税務を軸にWeb3に取り組む企業をサポート、データ活用のスタンダード構築を目指すエアリアルパートナーズ:沼澤健人CEOインタビュー
Web3に関して、日本はグローバルで見ても規制の整備が進み、大企業の参入が加速するといわれている。だが一方で税務処理、会計監査などのハードルが高く、特に公開企業にとっては、まだまだ大きな参入障壁が残っている。
デジタルアセットの会計・税務・データ管理サービスを提供するAerial Partners(エアリアルパートナーズ)は、そうした課題に挑もうとしている。9月に、シリーズBの資金調達ラウンドで約2.7億円の資金調達を実施。「価値革命を実現するインフラを提供する」をビジョンに掲げ、「会計・税務」を軸に、より総合的なデータ管理を実現する「デジタルアセット活用のスタンダード」の構築を目指す同社の取り組み、今後の戦略を沼澤健人CEOに聞いた。…続きを読む
AIをコントロールするために、暗号資産から学べること(あるいは暗号資産業界ができること)
アメリカのIT業界の大物たちは、批判者たちから利己的なテクノ・ユートピアニスト(夢想主義者)と呼ばれる存在から、反ユートピア的なストーリーを最も声高に叫ぶ人たちへと急速に変身した。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、オープンAI(OpenAI)のCEOサム・アルトマン氏、元グーグルのコンピュータサイエンティストで「AIのゴッドファーザー」とも呼ばれるジェフリー・ヒントン氏をはじめとする350人以上が署名した公開書簡は、「AIによる人類滅亡のリスクを軽減することは、パンデミックや核戦争など他の社会的規模のリスクと並ぶ世界の優先課題とすべきである」という一文からなる宣言だった。…続きを読む
機関投資家参入の次の波に備えて──暗号資産デューデリジェンス入門
アメリカの大手金融機関は、ビットコインETF(上場投資信託)申請に対するSEC(米証券取引委員会)の承認を強く待ち望んでいる。各社の申請に対する決定の期限は、2024年1月〜5月に迫っている。ETF承認への期待はすでにビットコイン価格に影響を与えており、価格は過去3カ月で26%上昇、市場の進化において、きわめて重要な局面を迎えている。
暗号資産(仮想通貨)業界は、2024年4月頃のビットコイン半減期、無相関な資産クラスとしての地位、「デジタルゴールド」というストーリー、マクロ経済の状況などの要因によって注目を集めている。…続きを読む
CME、ビットコイン先物取引高でバイナンスを抜く──強気サインなのか?
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)グループは、数年ぶりとは言わないまでもここ数カ月で初めて、ビットコイン(BTC)先物の取引高が、世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)を超えた。こうした逆転現状は、以前にも見られたが頻繁にあることではなく、暗号資産に対する機関投資家の関心が高まっているサインと見られることが多い。…続きを読む
DAO資金の動き、新たなトレーディング指標に
2023年も終わりに向かうなか、暗号資産(仮想通貨)は規制の不確実性に包まれ続けている。きわめて不安定な状況のなか、センチメント分析の重要性はこれまでにないほど高まっており、DAO(分散型自律組織)のトレジャリー(保有資産)は、センチメント分析の新たな指針となる可能性を秘めている。…続きを読む