ビットコイン(BTC)の時価総額が2025年半ばまでに4倍になり、3兆ドル(約450兆円、1ドル=150円換算)を超える世界的な巨大資産として台頭すると、投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は11月20日の調査報告書で述べた。
バーンスタインによれば、ビットコインのファンダメンタルズはかつてないほど良くなっており、供給量の70%が過去1年間取引されていないという。
「これはビットコインの歴史の中で史上最高であり、特に供給が逼迫することで指数関数的な動きをすることで知られる資産としては異常だ」とゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏率いるアナリストは書いている。
もうひとつの潜在的な好材料は、来年4月か5月に予定されているビットコインの半減だ。バーンスタインによると、半減により、マイナーからの毎月の売り圧力は、現在の1BTCあたり約3万7000ドルの価格における約10億ドル(約1500億円)から5億ドル(約750億円)未満に減少すると予想されている。
また、財務会計基準審議会(FASB)の新ガイドラインに基づく、より有利な会計処理で企業はビットコイン在庫の時価評価益を計上できるようになり、「ビットコインを自己資産として保有する企業の選好に好影響を与え、企業の新たな需要源を生み出すだろう」と報告書は述べている。
さらにもうひとつの追い風は、アメリカでのスポット型ビットコイン上場投資信託(ETF)が承認されることで、企業や小売業者が暗号資産(仮想通貨)にアクセスしやすくなる。「アメリカ証券取引委員会(SEC)が大手資産運用会社からの申請に引き続き取り組んでいることから、ビットコインETFは2024年早期の承認に向けて順調に進んでいる」と著者らは記している。
報告書は「インフレに対する金利の過剰修正による遅行効果を伴って、2024年初頭に債務の収益化やより悲惨な景気減速が起こる」というシナリオを考慮すると、「地盤沈下のヘッジ」としてのビットコインの役割がさらに顕著になる可能性があると付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Fundamentals Have Never Looked Better: Bernstein