グレイスケール・ビットコイン・トラストがETFに転換されれば、27億ドルが流出する:JPモルガン

JPモルガン(JPMorgan)が11月23日に発表した調査報告書によると、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の上場投資信託(ETF)への転換がアメリカ証券取引委員会(SEC)によって承認されることを見越して、市場で基準価額(NAV)に対して大幅に割り引かれた価格で相当数が購入されたという。

同行は、年初以降、25億ドル(約3750億円、1ドル=150円換算)がGBTCに流入しており、空売りのカバーを加えれば、それは27億ドル(約4050億円)に増加すると見積もっている。

ニコラス・パニギスツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるアナリストは「この買いの流れが、GBTCがETFに転換されることを見越した投機的なものだと仮定すると、GBTCが転換された後、これらの投資家が利益を得るため、この27億ドルはGBTCから流出する可能性が高い」と書いている。

「この27億ドルがビットコイン(BTC)から完全に流出した場合、ビットコイン価格にはもちろん大きな下落圧力がかかるだろう」と報告書は述べている。「そうではなく、この27億ドルのほとんどが、SECの承認後に新たに創設されるビットコイン現物ETFなど、他のビットコイン商品にシフトするのであれば、それは我々の推測の中でも最善のものだが、市場の悪影響はより小幅なものになるだろう」。

しかし、「この27億ドルの一部がビットコインから完全に撤退する可能性が高いため、ビットコイン価格のリスクバランスは下方に偏っていると我々は考えている」と同行は述べている。

また、ETFへの転換後にGBTCの手数料が積極的に引き下げられなければ、27億ドルをはるかに上回る額がGBTCから流出する可能性があると報告書は付け加えている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:グレイスケールのマイケル・ソネンシャインCEO(CoinDesk)
|原文:Grayscale Bitcoin Trust Could See $2.7B of Outflows if ETF Conversion Is Approved: JPMorgan