世界最大のビットコインファンドであるグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)のディスカウント率が24日、2021年7月以来最も狭い水準に達した。ビットコイン現物ETF(上場投資信託)がアメリカで承認されることを期待する楽観的な見方が背景にある。
ディスカウント率は8.6%
Ychartsのデータによると、GBTCの価格は24日、純資産価値(NAV)から8.6%ディスカウントされた水準に達し、2021年7月以来約2年ぶりに最も純資産価値に近づいた。
GBTCは2021年2月からディスカウントされた価格で取引されており、昨年12月には50%近くという過去最低のディスカウント率を記録した。
ETFめぐる楽観的な見方
ブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏はX(旧Twitter)で、ディスカウント率の縮小はグレイスケールの「水曜日(22日)に報道された最新の提出書類/SECとの会合」によって引き起こされた可能性が高いと指摘した。
グレイスケールは現在、クローズエンド型のファンドであるGBTCをETFに転換できるかどうかについて米証券取引委員会(SEC)の決定を待っている。今週にはGBTCの詳細について規制当局と協議したとの報道が出ており、楽観的な見方が広がっている。
規則変更に関する協議実施
22日にSECが発表したメモでは、GBTCの詳細について話し合うためにグレイスケールがSECと会合を行ったことが明らかになった。
メモには、「この議論は、NYSE Arca規則8.201-Eに基づいてGBTCを上場および取引するためにNYSE Arca Inc.が提案した規則変更に関するものだった」と記載されている。
金融専門の弁護士であるスコット・ジョンソン(Scott Johnson)氏が公表した提出書類によると、グレイスケールはBNYメロン(BNY Melon)と名義書換代行機関およびサービス契約を締結しており、同銀行がGBTCの代理人として機能し、ファンドの発行と償還を促進することになる。
|翻訳・編集:林理南
|画像:グレイスケールのマイケル・ソンネンシャインCEO(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Grayscale’s GBTC Discount to NAV At Narrowest Since July 2021 on ETF Optimism