ビットコインとイーサリアムのオプション取引の建玉、過去最高の230億ドルに

暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所デリビット(Deribit)のビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)オプション取引がかつてないほど熱くなっている。

12月8日の時点で、未決済または未処理のBTCとETHオプション契約(想定建玉)にロックされた累積ドル価値は、過去最高の236億ドル(約3兆4200億円、1ドル=145円換算)を超えたと、デリビットの最高商務責任者(CCO)であるルーク・ストライアース(Luuk Strijers)氏は米CoinDeskに語った。

ビットコインオプションはその67%を占め、残りはイーサリアムだった。デリビットでは、1つのオプション契約が1BTCと1ETHを表している。

「デリビットのオプション想定建玉は、BTCオプションが160億ドル(約2兆3200億円)、ETHオプションが76億ドル(約1兆1000億円)で、合計236億ドルとなり、過去最高を更新した。永久と先物OIの22億ドル(約3200億円)を加えると、初めて250億ドル(約3兆6250億円)のマイルストーンに達した。現在は合計258億ドル(約3兆7400億円)だ!」とストライアース氏は米CoinDeskに語った。

オプションは、投資家が原資産にレバレッジを効かせたベットを行い、スポット/先物市場の エクスポージャーをヘッジすることを可能にする。コール・オプションは、後日、原資産をあらかじめ決められた価格で購入する権利を与えるが義務は負わない。プットは売る権利を与える。

オプション取引は立体的であり、投資家は値動きの方向、予想される価格変動の程度、時間に賭けることができる。スポット市場や先物市場は一次元的で、価格の方向性だけに注目する。

したがって、記録的なオプションの建玉は、暗号資産市場への洗練されたトレーダーの流入を意味し、より良い価格発見を約束するものになるだろう。

記事執筆時点では、ビットコインとイーサリアムのオプションの建玉のほとんどはコール・オプションに集中していた。ビットコインの場合、5万ドル、4万ドル、4万5000ドルのストライクのコールに建玉が集中している。イーサリアムの場合、2300ドル、2400ドル、2500ドル、3000ドルのコールに人気が集中している。

コールへの偏りは、両暗号資産の継続的な上昇と一致しており、継続的な上昇への期待を示唆している。

ビットコインは今週初めに4万4000ドルの大台を突破し、2022年4月以来の高値を記録したが、これは主に上場投資信託(ETF)承認の楽観論とアメリカ国債利回りの低下を背景にしたものだ。ビットコインは今年150%以上の上昇を記録している。

イーサリアムは12月8日、2022年5月以来の高値となる2400ドルに迫り、年初来の上昇率を98%に伸ばした。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin, Ether Options’ Value on Deribit Reaches Record High of $23B