今週の注目!
先日、NHKの番組でサトシ・ナカモトが取り上げられた。無関係だろうが、「2023年に入ってから、いくつかの「サトシ時代」のビットコインが動き出している」。
初期のビットコインマイナー、「サトシ時代」の1000BTCを移動
今週初め、ネットワークの初期段階でマイニングによって獲得された大量のビットコイン(BTC)が移動され、「サトシ時代」のビットコインが移動された稀な事例に加わった。
オンチェーンデータ会社のCryptoQuantが12月7日のレポートで米CoinDeskと共有したところによると、初期のマイナーの1000BTC以上が12月4日にトレーディングデスクとカストディアンサービスに移動された。これらのトークンは13年前の2010年8月から11月の間に移動されたもので、ブロック報酬から推定総コスト100ドルでマイニングされたと見られている。
ビットコイン価格動向
ビットコインは今週、4万ドルを超えた。日本円では当記事執筆時点、640万円付近となっている。
ビットコイン、18カ月ぶりの4万ドル超え
ビットコイン(BTC)は12月3日(米東部時間)に18カ月ぶりに4万ドルを超え、イーサリアム(ETH)は市場全体が緩やかに上昇するなか、2200ドルを超えた。
ビットコイン価格が4万1500ドル超え──2億ドルのショート清算が後押し
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、アメリカでのスポット上場投資信託(ETF)承認の可能性をめぐる楽観的な見方が広がり続け、ゴールドのピーク価格が追い風にもなり、過去24時間で4%も上昇した。
BTCは12月4日に4万1000ドルの大台を超え、年初来の上昇率を152%超に伸ばした。
パニック買いでビットコインが4万2000ドルに上昇──暗号資産全体の時価総額が1兆5000億ドル超える
ビットコイン(BTC)は4日は、一部の「パニック買い」に刺激され、4万2000ドル(約609万円、1ドル145円換算)を超える19カ月ぶりの高値を更新した。金利低下への期待やビットコイン現物ETFをめぐる決定が差し迫っていること、デジタル資産ファンドへの資金流入が暗号資産市場の支えとなった。
ビットコインが4万4000ドルまで急騰、4万8000ドルのレジスタンスに向かう可能性
ビットコイン(BTC)が5日に急騰し、コインベース(Coinbase)などの一部の暗号資産取引所では2022年4月初旬以来初めて4万4000ドル(約638万円、1ドル145円換算)を超えた。金利低下とアメリカでのビットコイン現物ETF(上場投資信託)承認への期待に支えられて上値を伸ばした。
ビットコイン急騰で1億7000万ドルのショートが清算──次のターゲットは4万8000ドル
コイングラス(CoinGlass)のデータによると、ビットコイン価格の下落に賭けるショートトレーダーは12月4日の約7000万ドル(約102億円、1ドル=146円換算)の清算に加え、5日だけでも約9000万ドル(約132億円)を失った。これらは今週に入ってからのビットコインの強さ、つまり3万9000ドルから4万4000ドルへの急上昇に寄与している可能性がある。
「強気の罠」懸念でビットコイン上昇が停止──イーサリアムとソラナが19カ月ぶり高値更新
ビットコイン(BTC)の上昇は7日にストップ。代わりには19カ月ぶりの高値に急騰したイーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)が暗号資産市場の上昇を牽引した。
ビットコイン関連
マイクロストラテジーとエルサルバドル、数年後、数十年後に振り返ったとき、偉業と捉えられるのだろうか。
マイクロストラテジーのビットコインへの賭け、利益が20億ドルを突破
ビットコイン価格が4万2000ドル(約609万円、1ドル145円換算)を超えて上昇したことで、米マイクロストラテジー(MicroStrategy)のビットコイン大量保有による評価益は4日に20億ドル(約2900億円)以上に達した。
エルサルバドルのビットコイン投資は「黒字」、ブケレ大統領が表明
エルサルバドルのナイブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は4日にX(旧Twitter)で、週末にビットコイン(BTC)が4万2000ドル(約609万円、1ドル145円換算)の水準まで上昇したことを受けて、自国のビットコイン投資では現在300万ドル以上の評価益が発生していると表明した。
ブラックロックとビットワイズ、ビットコイン現物ETF申請を修正
世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)と暗号資産投資会社ビットワイズ(Bitwise)は4日にそれぞれ、S1フォームの修正版を米証券取引委員会(SEC)に提出し、それまでに行っていた協議でSECから指摘されていた可能性のある追加の情報を提供した。
主要な2つの指標、トレーダーのビットコインからイーサリアムへの転向を示す
主要なデリバティブ市場の指標は、洗練されたトレーダーがビットコイン(BTC)からイーサリアム(ETH)に目を向けていることを示しており、今後数週間でETHがアウトパフォームする可能性を示唆している。
マーケット動向
サトシ時代にBTCと並び、イーサリアムの初期投資家も大量のETHを取引所に移動させた。イーロン・マスク氏は久しぶりに暗号資産関連のニュースを賑わせた。
米アーク、470万ドル相当のコインベース株を売却
キャシー・ウッド(Cathie Wood)氏の投資運用会社アーク・インベスト(ARK Invest)は、今週3度目のコインベース(Coinbase)株の売却を行い、11月30日の終値で約470万ドル(約70億円、1ドル=150円換算)相当の3万7377株を売却した。
イーロン・マスク氏関連のトークンが急騰──「Go F**K Yourself」、サイバートラック等に由来
イーロン・マスク(Elon Musk)氏の製品や最近の発言に由来するGFY、TRUCK、GROKなどのトークンがイーサリアムなどのブロックチェーン上に出現した。
これは、長年暗号資産(仮想通貨)業界を悩ませてきたうんざりする傾向だ。機会に便乗する開発者が、注目のコンセプトに触発されて大量のトークンをスピーディーに作り上げている。
コインベース株の上昇はまだ続く──チャートアナリストが指摘
ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の株価は今年300%近く急騰し、最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)を大きく上回っている。テクニカル分析調査会社のフェアリード・ストラテジーズ(Fairlead Strategies)によると、コインベースは長期的なベースパターンのブレイクアウトを確認する勢いであるため、さらなる上昇の可能性があるという。
コインベース、マイクロストラテジーの株価が市場前取引で急上昇
コインベース(Coinbase)とマイクロストラテジー(MicroStrategy)の株価は、ビットコイン(BTC)が過去24時間で4%急騰して年初来の上昇率を150%以上に伸ばしたため、市場のオープンに先立ち9%近く急騰した。
機関投資家はBTCとETHを優先し、アルトコインをほとんど無視している:調査報告
機関投資家のトレーダーはビットコイン(BTC)に強気で、イーサリアム(ETH)にはまちまち、アルトコインには懐疑的であることが、Bybit Researchの新しい報告書で明らかになった。
イーサリアムの初期投資家、約9000万ドル分のETHをクラーケンに移す
ある大口のイーサリアム(ETH)保有者が、5年間保有していた約9000万ドル(約135億円、1ドル=150円換算)分のトークン、暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)に移したとオンチェーン分析ツールのLookonchainが12月5日に投稿した。
ステーブルコイン、1年半の下落トレンドが転換──新たな資金が暗号資産に流入
テザー(USDT)の時価総額が過去最高の890億ドルに達したことに象徴されるように、18カ月以上ぶりにステーブルコイン市場が拡大し、新たな資金が暗号資産に流入している。
グラスノード(Glassnode)のデータによると、主要ステーブルコインの時価総額合計は、過去1カ月で約50億ドル増加し、1240億ドルに達した。
BONKがDOGE、SHIBに次ぐ第3位の犬トークンに浮上
犬をテーマにしたトークンの季節が再び到来し、著名なトークンが保有者に何倍ものリターンをもたらしている。
昨年12月に初めて発行された柴犬をテーマにしたBONKは、ソラナ(Solana)ブロックチェーンへの資本流入と、ネットワークの人気に基づくトークンへのリスクの高い賭けが増加する中、過去1カ月で1000%以上のリターンを記録した。
DOGE-1衛星の関連トークン、スペースXによる打ち上げを前に急上昇
ドージコイン(DOGE)をテーマにした人工衛星DOGE-1を月周回軌道に投入するミッションに先立ち、宇宙物流企業ジオメトリック・エナジー(Geometric Energy)に関連する2つのトークンが上昇している。
業界動向
日本では、暗号資産の期末時価評価課税の改正が進み、ますます追い風が吹きそうだ。
北朝鮮のハッカー集団ラザルス・グループ、過去6年間で暗号資産30億ドルを盗む
サイバーセキュリティ会社レコーデッド・フューチャー(Recorded Future)が11月29日に発表したレポートによると、北朝鮮に関係するハッカー集団ラザルス・グループ(Lazarus Group)は過去6年間で30億ドル(約4350億円、1ドル145円換算)相当の暗号資産を盗んだという。
他社発行の暗号資産、期末時価評価課税から外す方向へ:報道
自民党・公明党は12月5日、税制調査会を開催し、各省庁から提出された税制改正要望の査定を行った。日経新聞によると企業に対する暗号資産(仮想通貨)の課税を見直し、短期売買目的以外で継続的に保有する暗号資産については、期末での時価評価課税の対象から外す方向で調整するという。
米アーク、3300万ドル分のコインベース株を売却──590万ドル分のグレイスケール・ビットコイン・トラストも
キャシー・ウッド(Cathie Wood)のアーク・インベスト(ARK Invest)は、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の株価がビットコイン(BTC)の直近の急騰を背景に19カ月ぶりの高値を付けた後、同株を12月5日の終値ベースで3300万ドル(約48億円、1ドル=146円換算)相当売却した。
マスク氏、AI事業は「資金調達していない」──ドージコインが反落
テクノロジー起業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏が、自身の人工知能(AI)スタートアップxAIが「資金調達していない」と発言したことを受け、高騰していたドージコイン(DOGE)が6日アメリカ時間午前中に反落を始めた。
One More Things
RWAトークン化、セキュリティ・トークン、デジタル証券……呼び方はさまざまだが、この領域の取り組みが加速していることは間違いない。
仏銀大手ソシエテ・ジェネラルがイーサリアム上でグリーンボンドを発行──欧州でRWAトークン化が進展
伝統的な金融機関の間で現実資産(RWA)トークン化の需要が高まっていることから、仏銀行大手ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)は、イーサリアムネットワーク上で同社初のトークン化グリーンボンドの発行を完了させた。
日立、100億円のデジタル環境債発行へ
日立製作所は12月7日、IoT(Internet-of-Things) やブロックチェーン基盤などのデジタル技術を用いたグリーン・デジタル・トラック・ボンド(デジタル環境債)を含む無担保社債の発行総額を100億円に決めたと発表した。
|文・編集:増田隆幸
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