イタリアで郵便事業や銀行事業を行うポステ・イタリアーネ(Poste Italiane)と大手銀行バンカ・ジェネラリ(Banca Generali)が一部所有する暗号資産(仮想通貨)ウォレット企業のコニオ(Conio)は、コインベース(Coinbase)と提携し、イタリアの銀行や金融機関に幅広い暗号資産を提供すると12月11日に発表した。
40万人以上の顧客を持つコニオは、機関投資家向けの暗号資産レンディングプラットフォーム「コインベース・プライム」と協力し、暗号資産に対応する金融機関に流動性を提供する一方、2023年末までに最大50のトークンにウォレット・サポートを拡張する。
暗号資産に対する信頼の波がヨーロッパの銀行や金融機関に押し寄せている。これは、暗号資産市場規制(MiCA)やトークン化のような分野に対する一般の関心に後押しされたものだ。
「コニオはイタリア初のスマートフォン用マルチシグ・ビットコインウォレットを開発した。イタリアの銀行が暗号資産に対する要求をさらに高めているため、当社は現在カストディ機能を強化している」とコニオのゼネラルマネジャー、オーランド・メローネ(Orlando Merone)氏はインタビューで語った。「イーサリアム・バーチャルマシン・チェーンを追加し、来年までに暗号資産市場の60%近くをカバーすることを目標にしている」。
コニオはまた、機関投資家の暗号資産への取り込みにも深く関与しており、特にイタリア銀行のイノベーション・センターが監督するユーロ・トークン・プロジェクトに力を入れている。
「イタリアの中央銀行は多くのプロジェクトと連携しており、市場を注意深く見ている」とメローネ氏は述べた。「フィンテック業界に関して言えば、トークン化により、おそらく電子マネーは完全に作り直されることになるだろう。 彼らがイタリアの暗号資産分野を擁護していることは素晴らしいことだ」。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Conioのゼネラルマネージャー、オーランド・メローネ氏(Conio)
|原文:Bitcoin Wallet Conio, Coinbase Team Up to Bring Crypto to Italian Banks