中国、ブロックチェーンを14億人の国民の身元確認に活用

中国の国家レベルのブロックチェーン構想であるブロックチェーン・ベース・サービス・ネットワーク(BSN)の発表によると、ブロックチェーン技術が中国の14億人の実名の身元を確認するために使用される。この動きは、データプライバシー擁護者の間で懸念を引き起こす可能性が高い。

中国公安部は、BSN の協力を得て、「RealDID」と呼ばれるこの取り組みを主導した。

RealDIDサービスの開始で、ユーザーはDIDアドレスと秘密鍵を使用して匿名でWebサイトに登録およびログインできるようになり、ビジネスデータとトランザクションが個人情報から切り離された状態を維持できるようになるという。

微信(WeChat)、新浪微博(Sina Weibo)、抖音(Douyin)、快手(Kuaishou)、Bilibili、小紅書(Xiaohongshu)の中国トップ6のソーシャルメディアプラットフォームは、50万人以上または100万人以上のフォロワーを持つコンテンツクリエイターに対し、本人の実名または資金提供者の実名を公表することを義務付けていると国営メディアが2022年10月に報じた。国営メディアはこの動きを公的な監視を可能にして信頼性を高めるためだと伝えていた。

BSNはリリースで、これは世界初の国家レベルの実名分散型IDシステムだと述べた。

BSNは、中国国家情報センターが中国の大手ハイテク企業チャイナモバイルや中国銀聯と協力して運営している。国際的な運営はBSNグローバルによって独立して管理されており、BSNグローバルはファイヤーウォールに守られた独立した組織だと言われている。

米CoinDeskは、潜在的な国家安全保障上のリスクを防止し、外国の敵対者のアクセスから個人データを保護することを目的として、連邦政府職員が中国製のブロックチェーンを使用したり、テザー(Tether)の親会社であるiFinexのような企業と取引することを禁止する超党派の法案が作成中であると報じた。

最近、アメリカ政府は、中国の人権に対する懸念にもかかわらず、フェンタニルや関連化学物質のアメリカへの密輸を撲滅する目的で、麻薬対策協力を進めるため、公安部管轄の中国法科学研究所を貿易制裁リストから除外した

これを受け、中国は化学メーカーに対し、フェンタニル前駆体を製造しないよう警告した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:China to Verify Citizens’ Identities With New Blockchain-Based Platform