イギリス国会議員、政府にブロックチェーンへのさらなる取り組みを求める
  • イギリスの国会議員、ナタリー・エルフィッケ氏は政府がブロックチェーン技術を活用するためにもっと努力するように呼びかけた。
  • イギリス政府は暗号資産のハブになりたいとしているが、ブロックチェーン業界をどのように規制するかについてはほとんど何も語っていない。

イギリスのナタリー・エルフィッケ(Natalie Elphicke)議員は12月14日、庶民院(下院)にあるテムズ・パビリオンで行われたイベントで、政府にブロックチェーンのためにもっと努力するよう呼びかけた。

「産業界と政策立案者が協力し、ブロックチェーン技術の理解と応用を促進することが不可欠だ」とエルフィッケ氏は、彼女が議長を務めるブロックチェーン技術のための全党国会議員グループ (All Party Parliamentary Group:APPG)が主催するイベントで語った。ブロックチェーンAPPGは、暗号資産(仮想通貨)APPGと同様に超党派のグループだ。

ブロックチェーンは、エルフィッケ氏が多くの可能性を見出している分野だ。彼女は、ブロックチェーンがグローバル・サプライチェーンの透明性を高めたり、デジタル・アイデンティティやデータを活用する際に使用される可能性があると述べた。

他の国々でもブロックチェーン技術の問題に取り組む法案が提出されている。ブロックチェーンに友好的な法案である「Deploying American Blockchains Act」は今月、アメリカ下院の委員会で全会一致で可決された。一方、ベルギー政府は先月、ヨーロッパのブロックチェーン・インフラを強化すると発表した。

イギリスは各国の規制当局が進めているペースに合わせる必要があるとエルフィッケ氏は述べた。また、ブロックチェーン問題に関してイギリスが他国と協力するよう呼びかけている。

イギリスはブロックチェーン政策に関してほとんど何も行っていないが、暗号資産のハブになりたいと述べており、新しい経済長官のビム・アフォラミ(Bim Afolami)氏もその見解を繰り返している。来年早々に導入されるステーブルコインの法制化を皮切りに、段階的にこのセクターを規制していく予定だ。イギリスでは、ブロックチェーン技術を貿易書類の輸送に利用する道を開く法案が最近可決されたが、さらなるブロックチェーン政策がいつ制定されるかは明らかではない。

ブロックチェーンAPPGは来年、ラウンドテーブル・ディスカッションを開始する予定であり、イギリスがブロックチェーンのスキルや機会、多様性をどのように活用できるかについて、業界に意見を求めることも計画していると、エルフィッケ氏はイベントで米CoinDeskに語った。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:イギリスのナタリー・エルフィッケ議員が政府にブロックチェーンへの貢献を求めた。(Camomile Shumba/CoinDesk)
|原文:Lawmaker Calls for the UK Government to Do More for Blockchain