Ordinalsの復活でビットコイン手数料が2年ぶりの高値に急騰──マイナー株が上昇
  • ビットコインのNFTにあたるOrdinalsの人気が高まる中、ビットコインのネットワーク手数料は37ドル以上に急騰し、2021年4月以来で最高となった。
  • 高いトランザクション手数料は上場したビットコインマイナー企業にとっては恩恵であり、レンジ相場のビットコイン価格を上回るパフォーマンスを示している。

ビットコイン(BTC)マイナーは、Ordinalsのインスクリプションの人気上昇によりトランザクション(取引)手数料が2021年4月以来の最高値に急騰し、棚ぼた的利益を享受している。

BitInfoChartsのデータによると、ビットコインブロックチェーンのトランザクション手数料の平均は17日に37ドル以上に急騰。強気相場のピークだった2021年4月以来の水準で、9月と10月初旬の平均である1~2ドルから上昇した。

Ordinalsの復活が要因

今回の急増の要因は主に、ユーザーがビットコインブロックチェーン上にインスクリプションと呼ばれるNFTを保存できるプロトコルであるOrdinalsの復活だ。

暗号資産管理会社21.coのデューン・アナリティクス(Dune Analytics)によると、15日から17日までにユーザーが120万件以上の新しいインスクリプションを作成し、約30万件のトランザクションが確認待ちとなってネットワーク詰まりが発生した。

Ordinalsの人気はビットコインコミュニティを二分しており、コア開発者のルーク・ダッシャー(Luke Dashjr)氏はOrdinalsを修正が必要な「スパム」と呼んでいる。しかし、法外な手数料はビットコインマイナーにとって恩恵となっていることがわかっている。

ブロックチェーントランザクションを処理することでビットコインを稼ぐマイナーは現在、手数料から1日あたり約6300万ドル(約88億2000万円、1ドル140円換算)、年間ベースでは230億ドルの収入を得ており、これは2年間の平均の4倍近くに相当する。10x Researchが18日のレポートで指摘した。

ビットコインマイナー株が急騰

暗号資産サービスプロバイダー、マトリックスポート(Matrixport)のリサーチ責任者でもある10x Researchのマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、「ビットコインはレンジ相場であるにもかかわらず、ビットコインマイナー株のパフォーマンスは依然として好調で、異常に高額な手数料が発生しているため高騰している」と述べた。

ティーレン氏は、ビットコインマイナー株は最近のビットコイン価格もパフォーマンスで上回っていると指摘した。ビットコインは12月に7%上昇したが、マラソン・デジタル(Marathon Digital)、ライオット・プラットフォーム(Riot Platform)、クリーンスパーク(Cleanspark)などのマイナー株は同期間に15~40%上昇した。

12月のビットコイン価格対ビットコインマイナー株(TradingView)

キュービック・アナリティクス(Cubic Analytics)の創設者であるケイレブ・フランゼン(Caleb Franzen)氏はX(旧Twitter)で、ビットコインマイナー株は株式市場の好調なパフォーマンスからも恩恵を受ける可能性があると指摘した。

フランゼン氏は、「ビットコインマイナーは、基盤となるビットコイン価格の停滞にもかかわらず、過去数回の取引セッションで好調なパフォーマンスを続けている。これは、堅調かつ広範な株式パフォーマンスの波及効果だ」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Cipher Mining
|原文:Bitcoin Fees Spike to 2-Year High as Ordinals Bonanza Gives Windfall Profit to BTC Miners