グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を現物ETF(上場投資信託)に変換する申請を米証券取引委員会(SEC)に対して行っているグレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)は、バリー・シルバート(Barry Silbert)氏が会長を辞任し、マーク・シフケ(Mark Shifke)氏が後任になると発表した。
人事異動の理由は明らかにせず
グレイスケールはSECへの提出文書の中で、親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(DCG)の最高財務責任者(CFO)であるシフケ氏が1月1日付でシルバート氏の後任となると記載したが、人事異動の理由は明らかにしなかった。DCG社長のマーク・マーフィー(Mark Murphy)氏も取締役会を退任した。
SECは、グレイスケール、ブラックロック(BlackRock)、アーク21シェアーズ(Ark 21Shares)、ヴァンエク(VanEck)、ハッシュデックス(Hashdex)など一部のETF申請をめぐる決定を延期しており、その多くは年末に向けて規制当局者と会談して修正文書を提出している。最初に到来するアーク21シェアーズの申請に対する期限が迫っており、SECは1月10日までに承認または却下を行う必要がある。
DCGは詐欺事件で提訴
シルバート氏が率いるDCGは、少なくとも2万9000人のニューヨーク市民を含む23万人以上の投資家から10億ドル(約1400億円、1ドル140円換算)以上をだまし取った疑いで、10月にニューヨーク州のレティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官から提訴された。ジェームズ長官はシルバート氏についても、多額の損失を隠蔽しようとして市民を欺いた罪で提訴した。DCGとシルバート氏は容疑を否認した。
DCGの運営担当上級副社長のマット・クメル(Matt Kummell)氏とグレイスケールのエドワード・マギー(Edward McGee)CFOも取締役会に加わる。
グレイスケールの広報担当者は、「グレースケールの責任ある成長に対するコミットメントに沿って、マーク・シフケ、マット・クメル、エドワード・マギーをグレイスケールの取締役会に迎えられることをうれしく思う」とし、「グレイスケールとその投資家は、グレイスケールの次の章に向けて備える中で、金融サービスと資産管理の業界におけるそれぞれの経験から恩恵を受けることになるだろう」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:バリー・シルバート氏(DCG)
|原文:Barry Silbert Resigns as Grayscale Chairman, to Be Replaced by Mark Shifke