今年343%の急騰を遂げたビジネス・インテリジェンス企業マイクロストラテジー(MicroStrategy)の株価が次にどうなるのか気になる投資家は、2023年のBTC上昇を予測したマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏率いる10x Researchの見解を参考にするといいかもしれない。
10x Researchの最新の調査報告によると、マイクロストラテジーの株価は26%割高のようだ。この結論は同社の回帰モデルに基づいており、従属変数であるマイクロストラテジーの株価と独立変数であるビットコイン(BTC)のスポット価格の関係を研究している。
「回帰モデルが示すように、マイクロストラテジーは26%割高であり、現在のビットコイン価格に基づくと20%のダウンサイドがある。利益を確定する時が来たようだ」。
ビットコインを保有するマイクロストラテジーの株価は今年4倍以上に上昇し、12月27日には25カ月ぶりの高値となる673ドルに達し、2023年に最もパフォーマンスの良かった暗号資産(仮想通貨)関連銘柄のひとつになった。ナスダック上場の同社は、3年前に予備資産として暗号資産の蓄積を開始し、本稿執筆時点で18万9150BTCを保有している。時価総額トップの暗号資産のビットコインは今年160%上昇したが、主にスポット上場投資信託(ETF)のシナリオを背景に今四半期だけで60%急騰した。
ビットコインに対するマイクロストラテジーやコインベース(Coinbase)株のような暗号資産関連銘柄のパフォーマンスは、しばしば暗号資産に対する機関投資家の関心の代用として注目される。これらの上場商品は、市場参加者が暗号資産を所有することなく、エクスポージャーを得ることを可能にするからだ。
このチャートの緑の上向き傾斜線は、散布図上のポイントの中央を通るように引かれており、線の上下にほぼ同数のポイントがある。
線が上方傾斜しているということは、ビットコイン価格とマイクロストラテジーの株価の間に正の関係があることを示している。言い換えれば、BTCが上昇するとマイクロストラテジーの株価も上昇するということだ。R²(R二乗または決定係数)が0.8232ということは、マイクロストラテジーの変動の80%がBTCの価格の変動で説明できることを示している。
分析によると、28日のマイクロストラテジーの終値は673ドルで、ビットコインの市場相場約4万3000ドルに対して20%過大評価されている。
10x Researchによると、いくつかの暗号資産関連銘柄は、ビットコイン価格に基づく公正価値に近い価格で取引されている。
「利益を確定し、ロングポジションをカットすることをお勧めする。ハイブ・デジタル・テクノロジーズ(Hive Digital Technologies)、Hut 8、Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)はまだ価値を提供しているが、これらの銘柄で大きな利益が出ているだろう」と10x Researchは述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:10x Research
|原文:Stock of Bitcoin’s Biggest Public Holder is Overvalued by 26%, Analyst Who Predicted BTC Rally Says