最近発表された、NFT(非代替性トークン)プラットフォームBlurの開発者によって設定されたレイヤー2ブロックチェーンである「Blast(ブラスト)」は、プラットフォームが2月まで稼働する予定ではないにもかかわらず、5月に約束されたエアドロップに魅了され、入金額が11億ドル(約1540億円、1ドル=140円換算)を超えた。
DefiLlamaによると、物議を醸しているBlastへの一方通行のブリッジに動じることなく、投機家らはウェブサイトが先月公開されて以来、10億ドル(約1400億円)相当のステーキング・イーサリアム(stETH)と1億300万ドル(約144億円)相当のダイ(DAI)ステーブルコインを預け入れたという。
その見返りとして、預け入れた者は賭け金に対して約5%の利回りと、5月に配布されるエアドロップと交換できる「Blastポイント」を受け取る。
また、利用者はこのプラットフォームを他の人に紹介することでもポイントを獲得できる。Blurは2月にNFTマーケットプレイスを立ち上げた後、同様のエアドロップを実施している。ネイティブトークンのBLURの時価総額は現在5億ドル(約700億円)で、過去1カ月で23%上昇した。
まだ稼動していないプラットフォームへの入金を許可するというアイデアは、暗号資産(仮想通貨)業界の一部から批判を集めており、初期の入金者とアフィリエイト・マーケターが最終的なエアドロップの大部分を受け取るというネズミ講的な特徴を持つプロジェクトだと指摘する声もある。
その批判の一部は、Blastの支援者であるベンチャーキャピタル企業、パラダイム(Paradigm)からも寄せられた。パラダイムのリサーチ責任者兼ゼネラルパートナーであるダン・ロビンソン(Dan Robinson)氏は、Blastのマーケティングキャンペーンは「一線を越えている」と述べ、パラダイムはブロックチェーンの稼働やトークンの引き出しが可能になる前に入金させることには賛成しないと述べた。しかし、ロビンソン氏はBlurのいくつかの要素に期待しているとも述べている。
2023年に暗号資産価格が軒並み急騰したことは注目に値する。ビットコイン(BTC)は150%以上上昇し4万3000ドル前後、イーサリアム(ETH)は2倍の2400ドルに達した。この上昇は投資家全体の楽観主義の波に拍車をかけており、それはBlastのようなプロジェクトの急成長によって浮き彫りになった。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:DefiLlama
|原文:Blast Hits $1.1B in Deposits More Than a Month Before It’s Due to Go Live