ビットコイン反発、4万4000ドルを超える──現物ETF承認の可能性が高まる
  • 現物ETFの承認が差し迫っていると報じられる中、ビットコインは3日のフラッシュクラッシュによる下落分をほぼ全て取り戻した。
  • 調査によると、今年ビットコイン現物ETFが承認されると予想しているのはファイナンシャルアドバイザーのわずか39%だったが、88%は承認後にビットコインを購入することに関心があると回答した。
  • ビットコイン現物ETFが承認されればイーサリアムに注目が移る可能性があるとマトリックスポートのマーカス・ティーレン氏は指摘した。

ビットコイン(BTC)は4日、4万4500ドル(約645万2500円、1ドル145円換算)まで反発した。投資家が3日に発生したフラッシュクラッシュを無視し、アメリカのビットコイン現物ETF(上場投資信託)の承認が目前に迫っていることで楽観的な姿勢を維持したためだ。

暗号資産サービスプロバイダー、マトリックスポート(Matrixport)が3日に発表したレポートでビットコイン現物ETF申請が却下される可能性を警告したことがビットコインの10%急落の引き金となった可能性があるが、市場関係者の大多数は依然として米証券取引委員会(SEC)が早ければ5日にも申請を承認すると予想している。

ブルームバーグETFのアナリストであるエリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏はアメリカ時間4日午後、SECは申請について最終コメントを出しており、発行を予定する企業はそれに応じて申請を更新する見通しだと述べた。

そのすぐ後、TechCrunchのレポーターであるジャックリン・メリニク(Jacquelyn Melinek)氏は、「この問題に非常に近い」情報筋の話として、SECが間もなく複数の申請を承認するだろうと述べた。

ビットコインへの流入増加が期待される

ビットコインは過去24時間で4%上昇し、本記事執筆時点では4万4500ドルで推移している。4万1000ドルの水準を下回った3日の下落分はほぼすべて解消された。

世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が昨年6月にアメリカでの上場に向けて書類を提出して以来(すぐに他の申請企業も多数続いた)、原資産を直接保有する現物ベースのビットコインETFへの期待は暗号資産市場にとって恩恵となっている。ビットコイン現物ETFはすでに上場している先物ベースのETFよりも優れていると考えられており、強気派は現物ETFがビットコインへの大幅な流入を呼び込むことに賭けている。

しかし興味深いことに、ビットワイズ(Bitwise)とVettaFiが4日に発表した調査では、今年ビットコイン現物ETFが承認されることを予想しているファイナンシャルアドバイザーはわずか39%だったことが判明した。

さらに興味深いことに、同じ調査ではアドバイザーの88%が現物ETFを主要な材料と考えており、承認後にビットコインを購入することに興味を持つであろうことが示された。なお、ビットワイズもビットコイン現物ETF申請を行っている。

イーサリアム現物ETFが続く可能性

却下または承認の遅れの可能性を指摘した3日のレポートの著者で、マトリックスポートのリサーチ責任者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は4日のCoinDeskのポッドキャストインタビューで、最終的にはSECが現物ベースのETFを許可すると自身は予想しているとしながらも、テクニカル指標が上昇トレンドの停滞を示唆しているため、ビットコインは今後数週間でさらに下落する可能性があると指摘した。

ティーレン氏はまた、ビットコイン現物ETFに対する承認が得られれば、投資家はすぐに時価総額第2位の暗号資産であるイーサリアム(ETH)に焦点を移すだろうとし、現物ベースのイーサリアムETF申請をめぐる決定は5月頃に下される可能性が高いと述べた。

「そうなれば、イーサリアムがビットコインを大幅にアウトパフォームすることになるだろう」とティーレン氏は予想した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Rebounds Above $44K as Spot BTC ETF Approval Looks Increasingly Likely