ビットコイン現物ETFの手数料、ビットワイズが最安──グレイスケールは規模で勝負

米証券取引委員会(SEC)が2日後の1月11日にビットコイン現物ETF(上場投資信託)を承認すると期待されるなか、すべての発行予定企業が重要な(最も重要ではないかもしれないが)ことを開示した。手数料だ。各社の手数料には大きな違いが出ている。

10以上のETF申請がSECの承認あるいは却下を待っており、手数料は他社との差別化を図る一つの要因となる。手数料が低いほど、投資家に多くの利益をもたらすことになる。

暗号資産投資会社ビットワイズ(Bitwise)は、最初6カ月間の手数料を無料にした後、0.24%という最安の手数料を設定している。一方、競合数社も大きな差はなく、アーク21シェアーズ(Ark 21Shares)は0.25%、ヴァンエック(VanEck)も0.25%、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)は0.29%を予定している。

世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)は0.30%。しかし、その規模や知名度からすれば、もっと高い手数料でも十分に競争できるだろうと一部の専門家は予想していた。

ブルームバーグ・インテリジェンスのETFシニア・アナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は、ブラックロックの手数料設定を受け「他社はかなり厳しい状況に置かれた」とXに投稿した。

その他、フィデリティ(Fidelity)は0.39%、ギャラクシー/インベスコ(Galaxy/Invesco)は0.59%、ヴァルキリー(Valkyrie)は0.80%、ハッシュデックス(Hashdex)は0.90%。ビットワイズ同様、ほとんどの発行企業は、一定期間の手数料引き下げを計画している。

注目はグレイスケールだ。同社はグレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)をETFに転換しようとしているが、手数料は高水準となる1.5%を予定する。信託の管理手数料の2%よりは低く、手数料を免除する可能性もあるが、一部のオブザーバーは他社と競争するには不十分かもしれないと見ている。

「投資アドバイザーが手数料1.5%のETFを勧めるとは考えにくい」とバルチュナス氏はXで述べた。グレイスケールの手数料は「単純に通用しない」と同じくETFの専門家ネイト・ジェラチ(Nate Geraci)氏もXに投稿している。モーニングスターの調査によると、2022年のETFの平均手数料は0.37%だった。

しかし、グレイスケールはETF市場で非常に重要なもう1つの要素、つまり規模の面で優位性を確保している。同社は既に270億ドル以上のビットコインを管理しており、運用資産がゼロの他社に比べて大きなアドバンテージを持っている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN編集部
|編集:水野公樹・増田隆幸
|画像:Joseph Sohm/Shutterstock
|原文:Bitwise Tops Bitcoin ETF Low-Fee Table, While Grayscale Bets on Size