ビットコイン(BTC)価格の下落に賭けていたトレーダーは、アメリカでのスポットビットコイン上場投資信託(ETF)承認への期待がゴールラインに近づくにつれ、過去24時間で1億ドルを超える損失を出した。
BTCは1月8日に9%高まで急騰して、2022年3月以来初めて4万7000ドルを超えたが、その後、若干値を戻した。暗号資産(仮想通貨)取引所OKXのトレーダーは8400万ドル(約122億円、1ドル=145円換算)の損失を被り、バイナンス(Binance)の7100万ドル(約103億円)がそれに続いた。
未決済の先物契約数である建玉が過去24時間で8%以上急増したのは、トレーダーがボラティリティが続くと予想し、清算イベント後により多くのベットを開始したことを示唆している。
清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジをかけたポジションの証拠金要件を満たすことができない(取引を継続するための十分な資金がない)場合に発生する。
大規模な清算は値動きの局所的な頂点または底を示すことがあり、トレーダーはそれに応じてポジションを取ることができる。
このようなデータは、人気のある先物商品からレバレッジが効果的に洗い流されるシグナルとして機能するため、トレーダーにとって有益だ。
1月8日の市場の動きは、ブラックロック(BlackRock)からグレイスケール(Grayscale)まで幅広いETFの発行体候補がアメリカ証券取引委員会(SEC)に手数料を提出し、史上初のビットコインETFがアメリカで上場される前の最終段階に入ったことによる。
13のETFの申請がSECの承認を待っており、顧客争奪戦はすでにヒートアップしているようだ。一部の発行体は、最初の6カ月間または運用資産50億ドル(約7250億円)までは手数料を無料としている。
承認か否かの最終決定は10日に行われる予定だ。一方、SEC関係者は一連のETF発行予定者に、9日に提出が予定されている修正フォームS1(上場の際にSECに提出する申請書)の細部に言及するコメントを送ったと言われていると、この問題に詳しい情報筋は米CoinDeskに語った。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:Bitcoin ETF Approval Expected Soon, Bears Lose $100M