アメリカ証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、史上初のスポット型ビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)を現実のものとした5人の委員会メンバーのうちの3人に含まれていた。
SECのサイトに掲載された委員会の投票結果によると、ゲンスラー氏は、ヘスター・パース(Hester Peirce)委員、マーク・ウエダ(Mark Uyeda)委員とともに、申請を承認した3人のうちの1人だった。キャロライン・クレンショー(Caroline Crenshaw)委員とハイメ・リザラガ(Jaime Lizárraga)委員は反対票を投じた。
パース氏は暗号資産(仮想通貨)業界の支持者として知られているが、ゲンスラー氏はこの業界を悩ませる主なリスクとして顧客保護と詐欺を挙げ、公の場ではこの市場に否定的で懐疑的な姿勢を崩していない。
ゲンスラー氏は、10日に承認された後の最初のコメントでは、SECのビットコインに対する否定的なスタンスを強調し、2022年にグレイスケール(Grayscale)の申請却下をめぐって法廷で敗訴したため、ビットコインETFを承認するしか選択肢がなくなったと述べた。
「我々はビットコインを承認も推奨もしていない」と彼は述べた。「投資家は、ビットコインや暗号資産に価値を連動させる商品に関連する無数のリスクについて、引き続き慎重であるべきだ」。
別の声明では、申請を承認しないとしたクレンショー氏は、この決定によって「投資家保護をさらに犠牲にしかねない道を歩むことになる」と述べた。
承認されたプロバイダーには金融大手のブラックロック(BlackRock)とフィデリティ(Fidelity)が含まれ、暗号資産(仮想通貨)ネイティブファンドのグレイスケール(Grayscale)のビットコイン・トラスト(GBTC)もETFとして格上げされた。これらの商品の手数料は、アーク(ARK)、ビットワイズ(Bitwise)、インベスコ(Invesco)の「最初の数カ月はゼロ」からグレイスケールの1.5%まで幅広い。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Jesse Hamilton/CoinDesk
|原文:Gary Gensler Voted to Approve Bitcoin ETFs, Despite Public Criticism