11日のビットコイン(BTC)は一時、2021年12月以来初めて4万9000ドル(約710万5000円、1ドル145円換算)を突破した。アメリカで上場したビットコイン現物ETF(上場投資信託)が期待の高まる中取引を開始したためだ。
複数の取引所から価格を収集しているCoinDesk Indicesのデータでは、ビットコインはこの日4万6000ドル未満の水準から4万7000ドルを上回るまで上昇し、その後上昇が加速してアメリカの取引時間序盤に4万9042ドルに達した。その後は上昇分が帳消しになり、4万6000ドルを下回った。
値動きが往復した後、本記事執筆時点でビットコインは過去24時間で1%上昇した水準にあり、4万6000ドルをわずかに上回っている。
コインベース等の株式も低調
米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)などの暗号資産専門の株式も下落し、プレ・マーケットの上昇分が帳消しになった。コインベース株は取引開始以来5%下落。ビットコインマイニング企業のマラソンデジタル(Marathon Digital)とライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)ではどちらも10%を超える下落が発生した。
コインベース株の格付けを低くし、目標株価を54ドルに設定しているみずほ証券はこれより前、現物ETFの承認は「コインベース株にとって犠牲が多くて引き合わない勝利」であり、ビットコインETFからの収益で発生する可能性のある上振れは考えられているよりも弱いかもしれないと述べた。
現物ETFがどれだけ関心を集めるかに注目
待望の11種類のビットコインETFがデビューしたことにより、ビットコイン価格の大幅な変動が引き起こされたが、投資家は取引初日の終わりまでに11種類のファンドがどれだけの関心を集めるかに注目している。
BitMex Researchによると、これまでのところ、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のIBITが米東部時間10時50分までに取引高5億ドルを記録し、ビットコインETFの中で首位に立っている。クローズエンド型ファンドからETFに転換されて上場した世界最大のビットコインファンドであるグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)は、取引開始から最初の1時間で7億ドルを超える取引高を記録した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Briefly Tops $49K Before Selling Off as ETF Trading Frenzy Commences