シカゴ・オプション取引所の子会社Cboe BZX取引所は2019年9月17日(現地時間)、ヴァンエック(VanEck)とソリッドX(SolidX)のビットコイン上場投資信託(ETF) 申請を取り下げた。
2019年9月17日(現地時間) 付けの文書によると、 ヴァンエック・ソリッドX・ビットコイン・トラスト(VanEck SolidX Bitcoin Trust)に関する申請は2019年9月13日(現地時間) に取り下げられた。申請に対する米証券取引委員会(SEC) の判断は既に何度も延期されており、米国で最初のビットコインETFの一つとなる可能性があった本件の可否判断については2019年10月18日(現地時間)の最終期限が迫っていた。
ヴァンエックが短期計画を変更した?
今回の発表はヴァンエックとソリッドXがSECの規則144Aの免除規定の下で適格機関投資家(少なくとも1億ドル=約108億円=の資産について所有もしくは投資する)へ信託を提供開始した数週間後になされたものである。上市が発表されて約3週間で、4つのビットコインを一つの“バスケット”にした商品(約4万ドル、約430万円相当) が取引されていた。
ヴァンエックはごく最近になって短期計画を変更したとみられる。
2019年9月4日(現地時間) のインタビューで、 ヴァンエックでETF商品の責任者を務めるエド・ロペス(Ed Lopez)氏は同社が投資信託商品を推し進めるだろうとCoinDeskに語った。また次のように説明している。
「市場と多くの投資家に対して、規制された商品がより提供され易くなるだろうと我々はまだ強く信じているし、今回はその小さな一歩に過ぎない。今は機関投資家のみに門戸が開かれている」
2019年9月17日(現地時間)の取り下げは両社のETFについて二度目となる。 一度目は1月になされ、 長引く政府閉鎖により否認される恐れがあったためだ。
ウィルシャー、ビットワイズの申請はレビュー中
SECは今なお他の2つのビットコインETF申請のレビュー中だ。一つはウィルシャー・フェニックス(Wilshire Phoenix)が申請しているもので、信託にビットコインと米国債の両方を含む。本件については9月末に最初の期限が迫っている。もう一つはビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)がNYSEアーカ取引所(NYSE Arca)に申請したもので2019年10月13日(現地時間)に可否が言い渡される予定だ。
ビットワイズ(Bitwise)はつい最近、 バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY Mellon)をETF商品のトランスファー・エージェント(transfer agent) にすると発表している。
本記事の第一報後に、ヴァンエックのデジタル資産戦略担当ディレクター、ガーバー・ガーバックス(Gabor Gurbacs)氏は「我々はビットコインとビットコインの金融革新をサポートすることを約束します。流動性があり、安全なETFを市場に届けることは最優先事項のままです。我々は規制当局と市場参加者と密接に連携して日々一歩ずつ進んでいます」 とツイートした。
翻訳:下和田 里咲
編集:T.Minamoto
写真:VanEck director of digital asset strategies Gabor Gurbacs image via CoinDesk archives
原文:VanEck, SolidX Withdraw Bitcoin ETF Proposal From SEC Review