イーサリアム(Ethereum)が待ち望んでいたアップグレード「デンクン(Dencun)」は、1月17日未明にテストネット「Goerli」上で実行されたが、予想された時間内にファイナライズされなかった。
ブロックチェーンのデータによると、アップグレードは協定世界時(UTC)6時32分にプッシュされたが、コンセンサスに達せず、テストネット上でファイナライズされなかった。開発者は、明らかな問題は数日中に修正されると予想している。原因はおそらく、参加者が少なかったことと、バリデーターがファイナライズに役立つはずのソフトウェアの一部をアップグレードしなかったことだと見られている。
And it seems like we have a chain split! Client teams are looking into it, but it's likely to a while to pin down + fix the issues. Keep an eye out for updates!
— timbeiko.eth ☀️ (@TimBeiko) January 17, 2024
ファイナリティは、トランザクションが確認され、ブロックチェーン・ネットワークのブロックに追加された後の不可逆性を指す。テストネットとは、実際のブロックチェーンを模倣したネットワークで、アプリケーションや重要なアップグレードをメインネットにプッシュする前にテストするために使用される。
デンクンによるGoerliの実装は、最終的にメインのイーサリアム・ブロックチェーン上にデータを保存する、よりコストの低い新しい方法を実現するための3段階のアプローチの一部だ。
この方法は「プロトダンクシャーディング」と呼ばれ、データの可用性を高めるだけでなく、レイヤー2のブロックチェーンの取引コストを削減するのに役立つ仕組みだ。このような補助ネットワークは、メインのイーサリアム・ブロックチェーン上でトランザクションを処理する代替手段として昨年急増したが、アナリストによると、現在の設定ではデータコストが高いため、その成長が妨げられているという。
次の段階は今後数週間のうちに行われ、テストネット「Sepolia」へのアップグレード、そしてテストネット「Holesky」へのアップグレードが続く。
デンクンはイーサリアムにとって、昨年3月のアップグレード「シャペラ(Shapella)」以来の大型アップグレード(ブロックチェーンの用語では「ハードフォーク」)となる。このマイルストーンは、「マージ(Merge)」以前のよりエネルギー集約的なプルーフ・オブ・ワーク・チェーンからプルーフ・オブ・ステーク・チェーンへの移行の第2段階を示すものだ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ethereum’s Dencun Upgrade Goes Live, But Fails to Finalize on Testnet