ビットコイン(BTC)のオプション取引は現在割安に見えており、一部のトレーダーはこれを利用して強気の賭けを行っている。
オプション取引とは、購入者に対して将来に所定の価格で原資産を売買する権利を与えるデリバティブ契約のこと。コールオプションは購入する権利を与えるもので、トレーダーは価格上昇から利益を得たり、ヘッジしたりすることがでる。プットオプションはその逆で売却する権利を与える。
インプライド・ボラティリティの低下
トレーダーは、オプション価格の主な決定要因の一つであるインプライド・ボラティリティが長期平均を下回るか、資産のリアライズド・ボラティリティを下回るとオプションが割安だと判断する。インプライド・ボラティリティは、原資産価格の1年間の予想変動の1標準偏差の範囲であり、平均値に戻る傾向がある。一方リアライズド・ボラティリティはすでに起こった価格変動を指す。
店頭機関投資家向け暗号資産取引ネットワークのParadigm(パラダイム)によると、ビットコインのインプライド・ボラティリティは、アメリカでの現物ETFの発売でピークに達してリアライズド・ボラティリティを下回っており、18日の北米取引時間中に4万5000ドルと4万6000ドルの権利行使価格でのコール需要が高まっているという。
パラダイムはテレグラムで、「2月限の4万4000ドルのストラドルでは大口の買い手が見られ、4万5000ドル/4万6000ドルの権利行使価格でアウトライトのコール買いをする人もいた」と指摘。「ビットコインのインプライド・ボラティリティは現在、リアライズド・ボラティリティをかなり下回って推移しているため、パラダイムの顧客が現物とボラティリティの急激な盛り返しを目指してプレーしているのを見ても驚かない」とコメントした。
価格との正の相関
アウトライトのコール買いとは、購入されたコールがビットコイン価格の上昇に賭けた単独の取引であり、複雑な戦略の一部ではない可能性が高いことを示唆するものだ。2023年初め以来、ビットコイン価格とインプライド・ボラティリティはほぼ正の相関関係にある。
一方ストラドルは、同じ権利行使価格でコールオプションとプットオプションを同時に購入する方向性のない戦略だ。この目的は、予想されるインプライド・ボラティリティの急上昇と、それに伴うオプション価格の上昇から利益を得ることだ。
1月11日にETFが発売されて以来、ビットコインは15%以上下落し、18日には価格が一時4万1000ドルを下回った。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Hans Eiskonen/Unsplash
|原文:Bullish Bitcoin Bets Rise as Implied Volatility Slides