1月11日にアメリカで現物ETF(上場投資信託)が発売されて以来ビットコイン(BTC)のパフォーマンスが低迷している原因の少なくとも一部は、規模の大きいグレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)によるビットコインの巨額の売却にある。グレイスケールのウェブサイトによると、GBTCは1月19日時点で約56万7000BTCを保有しており、1月11日の発売前の62万BTC弱から減少している。
そのため、現物ETFは取引開始以来、9万4000BTCと39億ドル以上の運用資産を集めているが(1月19日までのデータ)、弱気派はそのうち5万3000BTCについて単にGBTC保有者がより低コストの現物ETFに移動させているだけかもしれないと指摘している(GBTCの管理手数料は1.5%だが、これはほぼすべての新規現物ETFよりも少なくとも1%高い)。
しかし、CoinDeskが22日午前に、破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破産財団が保有するGBTC2200万口(2万BTC近くに相当)の全てを10億ドル近くで売却したと報じた。
このニュースには二つの意味があるが、一見するとどちらも強気であるようだ。第一に、GBTCの売却の3分の1以上が経済に関係しない一つの売主によるものだったことだ。第二に、現物ETFへの新たな投資がこれまで考えられていたよりも10億ドル近く多かったことだ。
スワン(Swan)のマネージングディレクターであるスティーブン・ルブカ(Steven Lubka)氏は、「GBTCの売却額のうち10億ドルはFTX破産財団によるものだった。つまり、新たなETFへの流入は単にGBTCからのリサイクル資金ではなかったということだ」とまとめた。
少なくとも本記執筆時点までは、ビットコインの売り手は依然として優勢であり、22日午後の価格は過去24時間で2.8%下落し、4万400ドルだった。
|翻訳・編集:林理南
|画像:John Angel/Unsplash
|原文:Bitcoin Bulls Buoyed by Report of FTX’s $1B GBTC Sale