最近発売されたビットコイン現物ETF(上場投資信託)10銘柄への資金流入の合計が、1月11日の取引開始以来初めてマイナスを記録した。世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のIBITやフィデリティ(Fidelity)のFBTCなどへの資金流入が、グレイスケール(Grayscale)のGBTCで発生している資金流出に追いついていないためだ。
ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のアナリスト、ジェームズ・セイファート(James Seyffart)氏が収集したデータによると、GBTCを含めた10銘柄のビットコイン現物ETFから24日に1億5800万ドル(約237億円、1ドル150円換算)の純流出が発生した(1日単位の資金の流れはむらがあるものではあるが)。CoinDeskが発行企業のウェブサイトからまとめた数字では、1月24日時点ですべての現物ETF(GBTCを含む)が保有するビットコインの合計は64万2458BTC。1週間前は66万540BTCだったことから、1万8000BTC以上の減少となる。
今週実際に流出が発生した唯一の現物ETFはGBTCで、保有するビットコイン総額は59万2098BTCから52万3516BTCに減少した。
他の9つの現物ETFの中で、ブラックロックのIBITとフィデリティのFBTCが保有量上位を占めている。1週間前にはそれぞれ2万~2万5000BTCだったのに対し、1月24日時点ではそれぞれ4万BTC以上を保有している。両社の運用資産も20億ドルに迫っている。
ただし、両社の現物ETFへの資金流入はここ数日間で鈍化している。例えば、ブラックロックは1月24日の増加分がわずか1663BTCで、1日あたりの増加量としては発売以来で最も少ない。1月17日の8705BTCからは減少している。
先週の減速にもかかわらず、1月11日に取引を開始した10個の現物ETFへの純流入は依然として相当額である。セイファート氏と同じくブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストであるエリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は、発売以来のドル建てでの総流入額を8億2400万ドル(約1236億円)と計算しており、これはビットコインの純増額に換算すると約1万7000~2万0000BTCの増加となる。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Mediamodifier/Pixabay
|原文:Bitcoin ETF Flows Show Negative Trend For First Time Since Launch