Web3のマスアダプションをグローバルな視点で捉えたとき、最も注目されているエリアの1つがアフリカだ。14億人の人口を抱え、若年層が人口動態の多くを占めていることから、この先の経済成長が期待されている。そして、グローバルに展開するWeb3企業にとっても、注目すべき市場だ。
アフリカのWeb3スタートアップに投資するKepple Africa Venturesは1月25日、イーサリアムのレイヤー2プロジェクト「INTMAX zkRollup」と最新の暗号技術を搭載したウォレット「INTMAX Wallet」を手がけるRyodan Systemsへの出資、およびINTMAXのアフリカ展開、特にナイジェリア進出加速のための戦略的提携を発表した。
アフリカの中でもナイジェリアは、自国通貨の下落、ドル不足といったマクロ状況から暗号資産の普及が進み、保有者が多いことで知られている。暗号資産を利用した安価な送金サービスも広がっている。
ナイジェリアでは2021年、中央銀行が金融機関に対して暗号資産企業へのサービス提供を禁止したが、ユーザーはピアツーピア(P2P)取引に移行、その普及は止まらなかった。2023年末、同行がこの禁止措置を撤回したことで普及がさらに進むと見られている。
ZKロールアップでゼロに近い手数料を実現するINTMAXにとって、ナイジェリアは大きなチャンスが広がる市場というわけだ。同社は昨年11月、戦略ラウンドの完了とともに、ナイジェリアでの取り組み強化を発表している。
なお、アフリカ市場の可能性については、CoinDesk JAPANを運営するN.Avenueが展開している、Web3をリサーチする大手企業のビジネスリーダーを中心とした限定有料コミュニティサービス「btokyo club」でも取り上げている。
関連記事:Web3で日本を盛り上げるために、必要なのはアフリカのポジティブさ?【btokyo clubラウンドテーブルレポート】
アフリカをはじめとするグローバルサウスは、金融インフラが十分整備されていないために、銀行口座を持てない人々が数多く存在する。だがそれゆえに、ブロックチェーン活用がリープフロッグ的に、一気に進む可能性がある。
|文・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:ナイジェリアの首都・アブジャのビジネス街(Shutterstock)