CoinDesk JAPAN年末年始特別企画「Web3川柳コンテスト」の受賞作品が決定! 1月29日、Xスペースで行われた受賞作品発表で、4つの協賛社賞、優秀賞、最優秀賞を発表しました。
応募作品は1300以上。意外な切り口や思いもよらない表現に驚かされたり、感心したり、審査は難しいけれど、楽しいものになりました。8名の特別審査員が頭を悩ませながらも厳正に審査を行い、各賞を決定しました。
4つの協賛社賞は以下のとおりです。
クリプタクト賞
Web3 踏み出す勇気に 金メダル
ペンネーム:山宗雲水
選評:斎藤 岳氏 | 株式会社pafin 代表取締役 Co-CEO
当社は確定申告用自動計算ツールを提供しているので、当初は税に関する作品を選ぼうと考えていました。ですが、作品を見ているうちに、もっと広くWeb3やオンチェーントランザクションの世界観を広げるものを選ぼうと考えました。「Web3」という聞き慣れない言葉で始まり、「金メダル」という誰でも知っている言葉に落とし込んでいて、「踏み出す勇気」も今の現実を表していると感じました。
それと深読みかもしれませんが、金メダルはダブルミーニングで、Web3でエコシステムの参加者に与えられるリワードや報酬、「金銭的なトークン」という意味も込められているように感じました。
大和証券グループ賞
STが 拓く未来の 経済圏
ペンネーム:キング・コングゥ~
選評:斉藤 貴裕 氏 | 株式会社大和証券グループ本社 経営企画部 企画課 オープンイノベーションチーム長
大和証券はセキュリティ・トークン(ST)に取り組んでいます。STはまだあまり知られていなくて、応募作でも取り上げている川柳は少なかったのですが、その中でも、まさしくSTが目指していることを表している作品を選びました。
新しい経済圏を作るというSTのコンセプトに合っていて、一番完成度が高い作品でした。
Fintertech賞
皆NISA、ひと足先に、僕イーサ。
ペンネーム:てっちゃん
選評:相原 一也氏 | Fintertech株式会社 代表取締役社長
社内で複数メンバーで選びましたが、これは「もうまさに」という感じでした。今、この瞬間の金融におけるトレンドとWeb3の潮流を巧みに対比しており、秀逸です。「皆NISA」は証券会社グループにとって望ましい状況を表現し、さらにその先の未来では、NISAで投資に目覚めた人たちがイーサリアムにも投資する時代がやってくることを示唆しています。
しかも応募は、ビットコインETF承認の期待が高まっていた時期。そのタイミングで文字数の都合かもしれませんが、ビットコインではなく、イーサリアムを取り上げたことも素晴らしいと感じました。
bitFlyer賞
Web3 新時代への パスポート
ペンネーム:ナンサン
選評:加納 裕三氏 | 株式会社bitFlyer Holdings 代表取締役CEO
当社は「bPassport(ビーパスポート)」というDID(分散型ID)を提供しています。従来のIDとパスワードによるログインから、Web3時代にはDIDという新しい認証方式に変わっていきます。まさにWeb3時代のパスポートのようなサービスです。
この作品からは、Web3で新しい時代に入っていく、Web3というパスポートを持っている人が新しい時代に踏み込むことができるという意味を読み取ることができました。
優秀作品賞
新時代 DAOする家康 DeFiする
ペンネーム:這う通る伊豆
選評:長瀨 威志氏 | アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー弁護士/NY州弁護士
私は、この作品が一番インパクトを感じました。言い回しに躍動感があり、大河ドラマの題名にかけています。もし徳川家康がDAO(分散型自律組織)やDEX(分散型取引所)、DeFi(分散型金融)を見たら、拒否反応を示すのではなく、積極的に活用するでしょう。そうした新時代のイメージとも非常にマッチしています。
最優秀作品賞
投票に 全員集合 8時DAO
ペンネーム:おもち川柳
選評:藤本真衣氏 | INTMAX共同創業者・Japan Blockchain Week共同創業者
審査委員全員から高い支持を集めたのが、この作品でした。個人的にも『8時だョ!全員集合』の「だよ」と「DAO」をかけていて、世代を感じつつも、この作品は見た瞬間に「可愛い」と思いました。それに「全員集合」もDAOの良さをうまく表現しています。素晴らしい作品だと感じました。
総評:「お茶の間」に刺さる企画の重要性と時代の変化を実感
渡辺 創太氏 | Astar Network Founder, Startale Labs CEO
Web3、ブロックチェーンのマスアダプションに向けて非常に重要なタイミングに来ています。そのときに「お茶の間」に刺さるこういう企画、僕の両親も楽しめるような企画は非常に大事ではないかと感じました。
最近、こういう「フワッ」としたユルい企画はなかなかなかったので、いい息抜きになりました。応募作品は、すごくクオリティが高くて、日本人の持つ創造性に改めて驚かされました。
藤本氏
本当に面白い作品が多くありました。関西出身なので、笑いには厳しいと思っていたのですが、面白い作品がすごく多くて迷いました。
選には漏れましたが、個人的には「犬コイン もう疲れたよ パトラッシュ」(坂井豊貴)が一番おもしろかったです。皆さん、すごくセンスが良いと感じました。
長瀬氏
DAO、DeFi、NFTなど、トレンドの言葉をちりばめていたり、ミームコインや犬関係の川柳もあって、非常に面白かったです。
私が金融庁にいた頃にマウント・ゴックス事件があり、その後、2017年に本格的にこの分野に取り組んだのですが、当時はビットコインや暗号資産と言っただけで白い目で見られました。そこから考えると、Web3川柳という企画は、もう大きく時代が変わったと感じました。新時代であり、黎明期で、まさに「これから」だと思います。
神本 侑季 | N.Avenue/CoinDesk Japan 代表取締役CEO
私も歴史好きなので、「渋沢も 仮想通貨に 嫉妬する」(ちゅんすけ)が、今年は渋沢栄一氏の1万円札も登場するので非常にタイムリーで面白いと思いました。
今回、初めての試みにもかかわらず、ご応募いただいた皆様、本当にありがとうございました。できれば毎年続けていきたいと思います。
|文:CoinDesk JAPAN編集部