先週には大幅に減速したが、グレイスケール(Grayscale)のビットコインETFであるGBTCからの流出は引き続き他のビットコインETFへの流入を上回った。デジタル資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)が29日に報告した。
最大かつ最も長く運営されているビットコインファンドであり、最近クローズエンド型からETFに転換されたGBTCでは、先週22億ドル(約3300億円、1ドル150円換算)の純流出が発生しているが、新たに発売されたアメリカのビットコインETFへの純流入は18億ドルにとどまった。コインシェアーズによると、他の国での純流出を加えると、暗号資産ファンドで合計5億ドルの純流出が発生しているという。
コインシェアーズのリサーチ責任者ジェームス・バターフィル(James Butterfill)氏は28日にX(旧Twitter)で、1月11日以来のGBTCの流出総額は現在50億ドルを超えているが、1日当たりの償還額は過去1週間で減少しており、売却ペースが鈍化していることを示していると指摘。「グレイスケールでの流出はあまり良くないが、沈静化し始めているようだ」と述べた。
実際、アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)によるブロックチェーンデータ分析によると、グレイスケールが29日に約2億8900万ドル相当のビットコイン(BTC)を売却準備のためにコインベース・プライム(Coinbase Prime)に送金したことが示されており、これは先週の1日平均送金額である5億3000万ドルのほぼ半分となっている。
このデータは単独で見るとビットコインにとって朗報であるように見えるが、一方でアメリカで新しく発売された他の9つのビットコイン現物ETFへの流入を遅らせているように見えることも考慮する必要がある。CoinDeskがまとめたデータによると、他のETFへの流入は平日が4日だった先々週に約6万BTCだったのに対し、先週は約4万6000BTCだった。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinShares
|原文:Crypto Funds Saw $500M in Outflows Last Week as GBTC Bleed Outweighed Rivals’ Gains: CoinShares