- FRBのパウエル議長が1月31日のFOMC記者会見で行った発言により、3月に利下げが差し迫っているとの見方が弱まった。
- ビットコインは4万2300ドルまで下落し、イーサリアム、カルダノ、ポルカドットといった主要暗号資産は3~4%下落し、ソラナは6%超下落した。
- スイスブロックによると、ビットコインは依然として4万2000ドルから4万4000ドルの間で明確な方向性なくチャネル内での値固めが続いているという。
米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長が行ったタカ派的発言によって利下げが差し迫っているとの期待が弱まり、1月31日の暗号資産(仮想通貨)相場は下落した。ビットコイン(BTC)は4万3000ドル(約623万5000円、1ドル145円換算)を下回った。
FRBは今年最初の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合後、指標となるフェデラルファンド金利の範囲を予想通りに5.25~5.5%に据え置いた。市場参加者はFRBがいつ利下げを開始するかについての手掛かりにますます注目しており、多くの観測筋は早ければ次回の3月会合で利下げが開始されると予想している。
パウエル議長は会合後の記者会見で、「今日の会合を踏まえると、委員会が3月会合までに(利下げの)時期は3月だと特定するまでの確信レベルに達する可能性は低いと思う」と述べた。
リスク資産が大幅下落
この発言の直後、暗号資産などのリスク資産は大幅に下落した。ビットコインはこの日の最高値4万3700ドルから4万2300ドルまで下落し、過去24時間では2.3%下落した。デジタル資産の時価総額の約90%をカバーする暗号資産市場ベンチマークのCoinDesk 20は、同じ時期に3%近く下落した。
イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)、アバランチ(AVAX)、ポルカドット(DOT)などのその他の主要暗号資産は3~4%下落し、ソラナ(SOL)はこの日に6%以上下落して100ドルを下回った。
従来の市場ではナスダック総合指数が2.2%下落し、S&Pは1.6%下落した。
3月利下げ確率が大幅低下
投資調査会社アスガルド・マーケッツ(Asgard Markets)のマクロアナリスト兼共同創設者であるアレックス・クルーガー(Alex Krüger)氏はX(旧Twitter)で、「市場は金利面で先回りしている」とし、「利下げは3月ではなく、5月か6月に始まる」と指摘した。
CME FedWatch Toolでも、3月利下げの確率は発言前の約65%から現在34.5%に引き下げられている。
ビットコインの下値模索は限定的か
Web3フィンテックプラットフォーム、YouHodlerのマーケット責任者であるルスラン・リエンカア(Ruslan Lienkha)氏は、「予想よりも金利が高い期間が続くことに関するタカ派のレトリックが出てくると、株式市場の調整を引き起こし、その結果ビットコインなどのリスク資産からの資本流出を引き起こす可能性がある」と指摘した。
一方、スイスブロック(Swissblock)のアナリストらは1月31日の市場レポートで、ビットコインは明確な方向性がないまま4万4000ドルから4万2000ドルの間で値固めが進んでいるように見えるため、下値模索は限定的になる可能性があると述べた。
レポートは、4万2000ドルの領域と4万ドル以下の水準が、買い手が参入する可能性のある主要なサポートレベルとして機能する可能性があると指摘した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Dips to $42.4K as Fed’s Powell Pours Cold Water on March Rate Cut