JPモルガン(JPMorgan)は2月1日の調査報告で、ステーブルコインであるテザー(USDT)の優位性が高まっていることは、より広範な暗号資産(仮想通貨)エコシステムに悪い影響があると述べた。
同行は「過去1年間におけるテザーへの集中の高まりは、ステーブルコインの世界と、より広範な暗号資産エコシステムにとってマイナスである」との見方を示した。
ニコラス・パニギスツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるアナリストは「ステーブルコインは複数の国・地域で規制リスクに直面しており、テザーは規制の遵守と透明性が欠如しているため、ほとんどの場所でリスクにさらされている」 と述べた。
しかし、他のステーブルコインにはチャンスだ。既存の規制により合致している発行体は結果として、取り締まりから恩恵を受け、市場シェアを獲得する可能性があると同行は述べている。
アメリカで株式公開を申請しているUSDコイン(USDC)は、そのような受益者の1つになる可能性がある。「管轄区域を越えた事業拡大を目指しており、来るステーブルコイン規制に向けて積極的に準備しているようだ」 と報告書は述べている。
JPモルガンは、テザーは最近、中央集権的な暗号資産取引所や分散型金融(DeFi)プラットフォームで広く採用され、時価総額と市場シェアの両方で大きな成長を遂げていると指摘している。先週、このステーブルコインの発行元は、前四半期に28億5000万ドル(約4275億円、1ドル=150円換算)という記録的な利益を得たと報告し、トークンの時価総額がほぼ1000億ドル(約15兆円)に達したと述べた。
USDTは、USDCやバイナンスコイン(BUSD)といった同業他社の「乱高下」からも恩恵を受けていると報告書は述べている。。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:Stablecoin Tether’s Increasing Dominance Is Bad for Crypto Markets, JPMorgan Says