ブリティッシュ・コロンビア州最高裁、マイニング一時停止措置の解除を認めず

カナダのブリティッシュコロンビア州の最高裁は、同州の電力会社BCハイドロ(BC Hydro)の暗号資産(仮想通貨)マイニング・プロジェクトに対する一時停止措置は妥当だと裁定した。

この一時停止措置は、暗号資産マイニングに手を広げていた林業会社コニフェックス・ティンバー(Conifex Timber)によって争われていた。コニフェックス社は先住民族のTsay Keh Dene Nationとマイニング事業を計画していた。

判決でマイケル・タンメン(Michael Tammen)判事は、2022年12月に初めて制定された一時停止は合理的であり、差別的ではなく、州の公益事業委員会法で定められた範囲内であると述べた。

タンメン判事によると、ハイドロ社への停止措置はサービスコストに基づいており、暗号資産マイニング特有の相当なエネルギー需要を考慮し、より広範な人々が手頃な価格でエネルギーにアクセスできるようにすることを目的としているという。

「暗号資産マイニングセンターがユニークな電力消費特性を持つことは、十分立証されている。2023年に暗号資産事業からのすべての相互接続要求に対応するために必要とされたメガワット時間の総量は、ハイドロ社の予測を大幅に上回った」と判決は述べている。

コニフェックス社側は、この停止措置の継続はブリティッシュコロンビア州にとって機会損失であると強調した。

「コニフェックス社は、州政府がエネルギー価格の妥当性を改善し、技術革新を加速し、ブリティッシュコロンビア州の配電網の信頼性と回復力を強化し、より包括的な経済成長を達成するために利用できる機会を逃していると考えている」と報道陣に向けた公式声明で述べた。

2022年11月、アメリカ・ニューヨーク州は暗号資産マイニングに2年間の一時停止を課した。

ブリティッシュコロンビア州には、廃鉱の町にある水力発電所の廃電力を利用するオーシャン・フォールズ・テクノロジー(Ocean Falls Technology)など、オフグリッドのゼロ・カーボン・フットプリントのマイニング・プロジェクトが数多く存在する。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ブリティッシュコロンビア州裁判所(Wpcpey/Wikimedia Commons)
|原文:British Columbia Court Backs Ban on Crypto Mining in Canadian Province