ビットコインETF(上場投資信託)への資金流入が注目を集めているが、ビットコインマイナーによる売却が最近のビットコイン(BTC)価格の重しになっている可能性が高いと暗号資産(仮想通貨)取引所Bitfinexのアナリストは2月5日付けのレポートで述べた。
CryptoQuantのデータを見ると、マイナーの準備金は、ビットコインETFが市場デビューして以来、純流出となり、2021年6月以来の最低水準まで減少している。
Bitfinexのレポートは、マイナーがビットコインETFが市場デビューした翌日の1月12日に約10億ドル相当のビットCoinDesk JAPANを暗号資産取引所に送金したことを示すGlassnodeのデータに注目した。これはおそらくビットコイン価格が2年ぶりの高水準に上昇したタイミングを狙ったものだ。
「この準備金の減少は、マイナーが保有しているビットコインを売却するか、資本を調達するためにレバレッジをかけていることを示している」「資金の主な用途は、マシンとマイニング施設のアップグレードのようだ」とレポートには書かれている。
4年に一度の半減期が4月に予定されているため、売りが増えている。半減期はマイナーの収益性に大きな影響をもたらし、小規模で効率性の低いマイナーは廃業に追い込まれるか、生き残りのために大企業との合併を余儀なくされる可能性があるとレポートは指摘している。
「(ビットコインの)今の売りは、マイナーにインフラをアップグレードするための資金を提供しており、マイナーの市場の流動性と価格発見への大きな影響力を思い出させる」
マイナーからの継続的な売り圧力は、おそらくこの数週間のビットコインの下落の一因となっている。ビットコインは、ETFの市場デビューの日につけた年初来高値4万9000ドルの後、20%も下落した。その後、価格は回復し、4万ドル台で横ばいとなっているが、4万4000ドル超えの試みは何度も失敗している。
マイナーからの資金流出が増加している一方で、米資産運用大手ヴァンエック(VanEck)のデジタル資産リサーチ責任者のマシュー・シゲル(Matthew Sigel)氏は、個々のマイナーの売りの程度は運用コストに依存していると述べた。
「クリーンスパーク(CleanSpark)、ライオット(Riot)、サイファー・マイニング(Cipher Mining)のような低コストのマイナーは、ビットコインの売却数が少ない」と同氏は6日にX(旧Twitter)に投稿した。
「対照的に、アルゴ・ブロックチェーン(Argo Blockchain)やテラウルフ(TeraWulf)のような高コストのマイナーは、売上高の最大100%を売却している」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN
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|原文:Bitcoin Miner Selling Ahead of Halving Is Capping Prices: Bitfinex