イーサリアムの「デンクン」アップグレード、メインネット導入の目標は3月13日
  • デンクンは2023年4月以来最大のアップグレードであり、イーサリアムブロックチェーン上のレイヤー2トランザクションとデータ可用性のコストを削減するように設計されている。
  • デンクンは8日、3つのテストネットのうち3番目での実施に成功した。

イーサリアム開発者らは8日に行われた隔週の調整電話会議で、待望のデンクン(Dencun)アップグレードの目標日を3月13日に設定。2023年4月以来の最大のアップグレードに向けたカウントダウンが正式に始まった。

最後のテストネット成功の翌日に決定

デンクンのアップグレードは主に「プロトダンクシャーディング」機能で知られている。データ保存用の専用スペースを提供することで、イーサリアムブロックチェーン上に構築されたレイヤー2ネットワークでのトランザクション(取引)のコストを削減するとされる機能だ。

今回の決定は、全コア開発者を対象にしたコンセンサスレイヤー電話会議127で伝えられた。会議が行われたのは、3つのテストネットのうちの3番目であるホレスキー(Holesky)でアップグレードが問題なく実施された日の翌日だった。

イーサリアム財団の開発・運用エンジニアであるパリソシュ・ジャヤンティ(Parithosh Jayanthi)氏はテレグラムでCoinDeskに対し、「何年分にも相当する努力がついにイーサリアムメインネットで実現する予定なのは素晴らしいことだ」とコメントした。

アップグレードは3月13日に予定

メインネット上でのデンクンアップグレードは、正確な日時ではイーサリアムブロックチェーンがスロット8626176に到達する3月13日の協定世界時(UTC)13時55分に始まる。

この日付は開発者らによって承認され、オープンソースソフトウェアプラットフォームのGitHub経由で確認される必要がある。

デンクンは、「プロトダンクシャーディング」と呼ばれる新しいタイプのトランザクションクラスを有効にするのものだ。データを保存するための新しいカテゴリである「ブロブ」の導入を通じて、ロールアップのトランザクションコストの削減に役立つ。

イーサリアムのデータ可用性

また、イーサリアムブロックチェーンのデータ可用性のコストを削減することも期待されているため、セレスティア(Celestia)やアベイル(Avail)、アイゲンDA(EigenDA)などのプロジェクトがより魅力的になることが見込まれる。

開発者らは、デンクンがメインネット上でスムーズに動作することを確認するために3つのテストを実行しており、今週のホレスキーへの実装で最高潮に達した。

プロトダンクシャーディングは、開発者らがブロックチェーンを拡張するために実装に取り組んでいる「ダンクシャーディング」として知られる技術機能の最初のバージョンだ。

アップグレードは開発者らが当初計画していたよりも実施が遅れている。当初は2023年末を目標としていたが、技術的な遅れにより2024年初旬に延期された。

イーサリアムブロックチェーンのロードマップの一環として、開発者らはすでに次のハードフォークであるプラハ/エレクトラ(Prague/Electra)を計画しており、これには「バークル・ツリー(Verkle Trees)」という新しいタイプのデータ構造が含まれる可能性がある。バークル・ツリーは、ノードが「ブロックを検証する能力を失うことなく」大量のデータを保存するのに役立つものだ。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Unsplash
|原文:Ethereum Developers Target March 13 for Milestone ‘Dencun’ Upgrade on Mainnet