ビットコインオプションのトレーダーは6万5000ドル以上に賭ける
  • 暗号資産オプション取引所のデリビットでは、週末に6万5000ドル、7万ドル、7万5000ドルのコールが多く取引された。
  • これらのいわゆるアウト・オブ・ザ・マネーのコールに動きが集中したことは、強気な市場心理を反映している。

テクニカル的に買われ過ぎな状況と破産したジェネシス(Genesis)の潜在的な売りによるビットコイン(BTC)価格下落の懸念は、乗り越えたのかもしれない。トレーダーは、ビットコインの過去最高値6万9000ドル前後の水準で、安価なアウトオブザマネー(OTM)コールといった強気のオプション投資に飛びついている。

週末には、取引高と建玉数で世界最大の暗号資産(仮想通貨)オプション取引所であるデリビット(Deribit)で、6万5000ドル、7万ドル、7万5000ドルのコール・オプションが多数取引された。デリビットでは、オプション1契約は1BTCに相当する。

コール・オプションは、指定された期日までに特定の価格で原資産を買う権利を投資家に与え、プットは売る権利を投資家に与える。コールの買い手は、暗黙のうちに市場に対して強気だ。

権利行使価格の高いコールの大量買いは、洗練された市場参加者の強気ムードを反映している。

「4月から6月満期のオプション市場では、5万ドルのコールに建玉が集中しており、5万ドル、6万ドル、7万5000ドルのコールにフローが見られる」と、ギャラクシー(Galaxy)の米州営業責任者であるケリー・グリア(Kelly Greer)氏はCoinDeskのインタビューに答えている。「これらのフローは、投資家がビットコインに対して建設的な見方をしていることを示唆している」。

グリア氏は、2023年第4四半期に3万ドルと4万ドルのOTMコールに同様の動きが集中したことで、これらの水準を通過する価格上昇への道が開かれたと付け加えた。

オプション市場のポジショニングは、差し迫った価格変動の信頼できる指標と言える。最近の強気の流れは、2020年から2021年にかけての強気市場を彷彿とさせるものだ。

ビットコインは10月上旬からほぼ倍増の5万ドルにまで達し、価格は過去3週間で3万8500ドルから上昇したが、これは主にETFの力強い資金流入によるものだ。

人気のテクニカル指標である14日相対力指数(RSI)が70を超え、ビットコイン市場の買われ過ぎを示唆している。この数値は、しばしば弱気トレンドへの反転が迫っているシグナルと受け取られるが、それは市場が短期間で少し急騰しすぎたことを意味するだけであり、一息つくだけの可能性がある。

「ビットコインは7日連続の上昇を記録したが、週末には強さが鈍化した。また、日足のRSIで70を超える動きと重なり、プレーヤーの短期的な利食い意欲が高まる可能性がある。ピークに向けて注意が必要だ」とFxProのマーケットアナリストであるアレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は2月12日の電子メールで述べた。

さらに、破綻した暗号資産レンディングのジェネシス(Genesis)が、ビットコイン、イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)を16億ドル(約2400億円、1ドル=150円換算)分売却することで価格が下落するのではないかという懸念も浮上している。ジェネシスは最近、グレースケール(Grayscale)の信託商品で保有されている上記の暗号資産の売却を承認するよう、アメリカの判事に申し立てた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Traders Scoop Up Options Bets at $65K and Higher