- USDコインの供給量は12月以降に14%以上増加している。
- 流動性の増加は、アメリカでビットコインスポットETFがローンチされた後の新たな資本流入の兆候と見られる。
- ステーブルコインの存在感はアメリカ以外の市場でも高まっている。
サークル(Circle)が発行するUSDコイン(USDC)は、時価総額では2番目のステーブルコインだが、世界中で流動性が増加しており、特にアメリカ以外での利用が急増し、ここ数カ月の供給量の急激な増加につながっているとコインベース(Coinbase)は2月26日の調査報告で述べた。
「USDCの供給量は2023年12月1日以降、14.3%、35億ドル(約5250億円、1ドル=150円換算)以上増加しており、時価総額は280億ドル(約4兆2000億円)に達している。同時期のテザー(USDT)の成長率は8.7%だった」とアナリストのデビッド・ドゥオン(David Duong)氏とリ・リュー(Li Liu)氏は書いている。テザーはライバルのステーブルコインで、時価総額980億ドル(約147兆円)を誇り、USDCよりも圧倒的に大きい。
USDCの流動性の増加は「アメリカでビットコインスポット(BTC)上場投資信託(ETF)の取引が開始された後、暗号資産(仮想通貨)が市場サイクルの新たな段階に移行し、新たな資金流入が見られたため、個人と機関投資家の両方の需要が全体的に回復した」ことを反映していると報告書の著者は書いている。
ステーブルコインとは暗号資産の一種で、通常は米ドルにペッグされているが、他の通貨や金などの資産が使われることもある。
報告書は、USDCがアメリカ以外の市場でも存在感を高めていると述べ、ステーブルコインはスポットおよびデリバティブ取引のシェアを5倍に増やしているが、今のところ、全世界の中央集権型取引所(CEX)の取引高に占める割合はわずか4%に過ぎないと指摘した。
USDCの流動性増加はBTCスポットETFという触媒だけでなく、コインベースの国際取引所の開始と、昨年末のライバル取引所バイナンス(Binance)でのUSDC取引ペアの再上場からももたらされたと報告書は付け加えた。
USDCはサークルによって発行され、サークルはコインベースに支援されている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:HFA_Illustrations/Shutterstock
|原文:Stablecoin USDC Is Making a Comeback: Coinbase