- ビットコインは、2020年12月以来最大の月間上昇率となる44%上昇で2月を終えようとしている。
- ビットコイン市場は売却を望まない長期保有者が支配的なため、ビットコインETFを通じたビットコイン需要は十分に満たされていないとギャラクシー(Galaxy)のアレックス・ソーン(Alex Thorn)氏は述べた。
2月はビットコイン(BTC)にとって、2020年12月以来の好調な月となりそうだ。また価格が史上最高値に近い水準で推移しているにもかかわらず、今回の強気相場はまだピークに達していないとアナリストらは分析する。
ビットコインは2月、44%という驚異的な上昇率を記録し、数年ぶりに5万ドル(約750万円、1ドル150円換算)と6万ドル(約900万円)を相次いで突破。28日には6万4000ドル(約960万円)の高値をつけた。1月下旬にアメリカでビットコインETF(上場投資信託)がデビューし、「ニュースで売る」による下落で一時4万ドルを割ったが、その後急上昇した形となった。
ビットコインは月次の終値で史上最高値を更新する可能性がある。そのためには協定世界時(UTC)3月1日午前0時(日本時間午前9時)までに、前サイクルのピークに近い2021年10月の終値6万1357ドルを上回る必要がある。当記事執筆時点、ビットコインは約6万1200ドルで取引されている。
2月、暗号資産市場は幅広く上昇し、CoinDesk 20 Index(CD20)は40%超の上昇となった。
分散型取引所(DEX)ユニスワップ(Uniswap)のガバナンストークンUNI、分散型データストレージネットワークのファイルコイン(Filecoin)のトークンFIL、人気ミームトークンのドージコイン(DOGE)がCD20のベストパフォーマーで、ビットコインの上昇率を上回った。
ビットコイン価格は史上最高値を望む付近で推移しているが、アナリストの中にはさらなる上昇を見込む者もいる。
「まだ今回予想されるピークに届き始めてさえいない」とギャラクシー(Galaxy)のリサーチ部門責任者アレックス・ソーン(Alex Thorn)氏は29日、X(旧Twitter)に投稿した市場分析で述べた。同氏は、ビットコインETFは「ゲーム・チェンジャー」であり、安定した(そして最近加速している)ビットコイン需要を支えていると主張した。一方、ビットコインの供給量の約75%を握る長期保有者たちは、最近の価格水準では今のところ売却を望んでいない。
インフォザブロック(IntoTheBlock)のアナリストは、ビットコインネットワーク上のトランザクションボリュームと、個人投資家の暗号資産への関心は、以前のピーク時の水準からはまだ程遠いと指摘した。
暗号資産分析会社のスイスブロック(Swissblock)は、ビットコインの現在の上昇トレンドは「これから起こることの始まりに過ぎない」と予測し、29日のレポートでは「買い圧力が持続し、オシレーター系と移動平均線の両方から強気シグナルが出ていることから、ビットコイン上昇の勢いは続くと考えられる」と述べた。
だが同時に、今すぐの市場参入には注意を促した。
レポートでは「この高値水準で相場を追いかけるのではなく、短期的な下落を待って買い機会をうかがうことが、より賢明なアプローチだろう」と述べられている。
米銀最大手のJPモルガン・チェースのアナリストレポートは、やや弱気な長期見通しを示し、ビットコインは4月の半減後に4万2000ドルまで下落すると予想している。
|翻訳・編集:行武 温
|画像:NASA
|原文:Bitcoin Blasting Toward Biggest Monthly Gain in 3 Years