ビットコインが史上最高値に迫るなか、柴犬コインが警告を鳴らす
  • 柴犬コイン先物の建玉は1億ドルを超え、暗号資産市場で投機的な動きが活発化していることを示している。
  • あるアナリストは、ビットコインの供給/受領のアンバランスは1:10まで拡大しており、今週は過去最高値まで上昇する可能性が高いと述べた。

暗号資産(仮想通貨)市場では過剰な投機が積み上がり、ビットコイン(BTC)が史上最高値に迫るなか、強気派に注意を促している。

CoinGlassによると、柴犬コイン(SHIB)の建玉、つまり先物契約にロックされた価値は、2023年8月以来となる1億ドル超えとなった。柴犬コインの先物は1枚あたり1000SHIBで、レバレッジは最大25倍。

過去7日間で、柴犬コインの時価総額は130%以上上昇して1344万ドルとなり、CoinDesk 20 Index(CD20)の22%上昇を上回った。時価総額の上昇を伴う建玉の増加は、柴犬コインへの新規資金の流入を意味する。

だが、それは過剰な投機と、市場全体に調整局面が迫っているサインだ。

柴犬コインの建玉は1億ドルを超えた(CoinGlass)

柴犬コイン先物の建玉が1億ドルを超えた過去の事例は、ビットコイン価格が当面のピークを迎えたことを示している。

投機的な熱狂を示しているのは、柴犬コインだけではない。10X Researchのデータによると、韓国の取引高は最近、平均80億ドルまたはそれに近い水準に達しており、ビットコインの強気相場が盛り上がる前に見られた10億ドルから大幅に増加している。

「アルトコインからミームコインまで、個人投資家の動きの波が起きている」と10X Researchの創業者マーカス・ティーレン氏(Markus Thielen)氏は述べた。

さらに同氏は、アメリカで承認されたビットコインETFへの資金流入が、1日にマイニングされるビットコインを大幅に上回り続けているため、ビットコインは今週、過去最高値の約6万9000ドルを超える可能性があると付け加えた。ビットコインの供給と需給のアンバランスは1対10まで拡大している。

「店頭(OTC)トレーディングデスクは大口の機関投資家を顧客としており、在庫データによると、残高は2023年第2四半期の1万BTC近くから2000BTC未満に減少している。これは、ビットコインETF発行体のような機関投資家は、マーケットメイカーを通じて取引所から直接ビットコインを購入しなければならないことを示している。供給と需要のアンバランスは1:10(1日あたりのマイニング量 vs 1日あたりのETF需要)だ」

グレイスケールのビットコインETF「GBTC」からの資金流出は先週後半に加速し、2月29日には6億ドルの資金流出を記録、この1カ月以上で最大の1日あたり流出額となった。一方、10X Researchによると、ブラックロックの「IBIT」への資金流入は、3日連続で5~6億ドルを記録した後、3月1日には2億200万ドルに落ち着いた。

ティーレン氏によると、鈍化は月末の一時的な現象であり、今週中には力強い資金流入が再開する可能性があるという。

「ブラックロックへの資金流入は今週、再開すると予想している。グレイスケールからの資金流出が1億ドル以下になれば、ビットコイン価格は大きく上昇するだろう」と同氏は述べた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinGlass
|原文:Shiba Inu Rings Greed Alarm As Bitcoin Eyes Record High