ビットコインが史上最高値を更新したばかりだ。しかし、史上最高値とはどの数字なのか?
ビットコイン(BTC)が5日に史上最高値を更新したことをめぐる興奮のさなか、このおめでたい出来事を取り巻く奇妙な点がある。ビットコインが到達した新たな史上最高値や、記録が更新される前の最高値について共通の認識がほとんど得られていないことだ。
個人トレーダーに人気がある米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)では、ビットコインが6万9325ドル(約1039万8750円、1ドル150円換算)の新高値を記録した。しかし、ブルームバーグ(Bloomberg)では新高値は6万9191.94ドル、ロイター(Reuters)では6万9202ドル、コインデスク・ビットコイン・インデックス(XBX)では6万9208.79ドルとなっている。CoinGeckoの集計によれば、ビットコインは5日に6万8912.84ドルに達しただけで、これは新高値ではない。
当然のことながら、2021年11月の史上最高値がいくらだったかについても共通の認識はない。最も低いCoinDeskの6万8990.90ドルから最も高いCoinGeckoの6万9044.77ドルまでの間に分散している。
結局のところ、これはおそらくあまり重要ではない。ビットコインは高騰しており、クジラも小規模投資家も豊かになっている。
しかしこの価格の不一致は、暗号資産市場が、それが取って代わろうとしている従来の金融システムよりも若干荒いところがあることを浮き彫りにしている。
コインベースの記録が最も純粋であることは確かだ。6万9325ドルは、規模の大きいコインベースで取引されていたビットコインの価格に間違いない。ブルームバーグ、ロイター、CoinDesk、CoinGeckoの数字は複数のデータを組み合わせたものだ。
ダウ平均株価が史上最高値を記録した場合で考えると、新しい数字が何なのか、古い数字が何だったのかについて議論の余地はない。ダウ平均株価を計算するのは一つの企業だが、暗号資産のデータ収集と唯一の真の数字の計算を行う中央機関はない。
したがって、この重要なマイルストーンの整理をめぐる混乱は、ある意味通貨や市場、金融の分散化という暗号資産の中核的な目標の成功を表していると言える。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Uday Mittal/Unsplash
|原文:Bitcoin Soars to a Record – but What’s the Price? And What Was the Old All-Time High?