- 3月5日にビットコインは史上最高値更新から急落。その際、マイナーは長期保有していたビットコインを売却したようだ。
- 市場の流動性の薄さから、この動きがビットコイン価格に大きな影響を与えた可能性がある。
ビットコイン（BTC）価格は2月に急上昇し、3月5日に史上最高値を更新した後、一気に反転した。これは一部の初期マイナーが過去のブロック報酬を売り始め、ビットコイン価格に圧力がかかっていることを示している。
クリプトクアント（CryptoQuant）のオンチェーンデータ観測によると、ビットコインが約6万9000ドル（約1035万円、1ドル=150円換算）付近の史上最高値を記録し、その後、6万2000ドル（約930万円）まで急落する直前、およそ6900万ドル（約1035億円）相当の1000ビットコインが、10年以上前に作られたアドレスから暗号資産（仮想通貨）取引所コインベース（Coinbase）の口座に移動された。長期間動きのなかったビットコインのコインベースへの移動は、売却に備えたものである可能性が高い。
クリプトクアントのアナリスト、ブラッドリー・パーク（Bradley Park）氏はCoinDeskに対して「取引所のオーダーブックが100ドルごとに5～10ビットコインの流動性を示していることを考えると、1000ビットコインの売りは大幅な価格下落を引き起こす可能性が高い。特に、5日のように投資家がビットコインの史上最高値を受けてショートのエントリーを狙っている状況ではさらに可能性が高まる」と述べた。
パーク氏は、今回の動きは2020年3月12日に価格が40％下落する前に発生した、ビットコインの流動性急増を思い起こさせると語る。当時、新型コロナウイルス感染が急速に深刻化し始め、世界中の政府がロックダウンを開始し、投資家は安全資産への逃避を余儀なくされていた。
その際は売りが落ち着いた後、最終的にビットコイン価格は3850ドル（約58万円）で底を打った。
｜翻訳・編集：行武 温
｜画像：ASIC Miners (Sandali Handagama/CoinDesk)
｜原文：Bitcoin’s Test of All-Time Highs Means Old Miners Are Cashing Out
