ビットコインは1000万円の大台へ、相場はもう一段高演出できるか?【bitbankチャート分析】

週足はかなり強気の値動き

(bitbank.cc:週足チャート)
  • ビットコイン週足は今週もプラスで推移しており、現在のところ4.3%の上昇を記録しています。先週の週足は21%上昇し、終値が947万円となりました。2週連続で陽線となる可能性が高く、9月25日の週足から移動平均線(8EMA)の上位で推移し、底堅い相場となっています。一方、週足は移動平均線から18%ほど上乖離しており、短期的には買われ過ぎの水準となっています。

日足は1000万円で上値が重くなる

(bitbank.cc:日足チャート)
  • 今週は、3月4日の日足で遂に1BTCが1029万円を記録し桁が変わりました。値動きは800万円を突破したあたりから買いが加速し、数日の間に200万円も上昇しました。週足同様に日足も移動平均線(14EMA)の上位を維持し、底堅い動きとなっています。1000万円近辺は対ドルの最高値6万9000ドルに相当するため、高値も警戒されており、3月5日には数時間で11%ほど急落する場面もありました。
    一方、相場は即座に反発し、再度1000万円を試す動きとなっています。現在は1000万円のレジスタンスが相当意識されており、上抜けにはさらなる買い需要が必要になります。またボラティリティの高さを示すADXは53と高水準となっており、トレンドがかなり進行したことを示唆しています。
    過去のデータからADXは50から60台で下落する傾向があり、短期トレンドの終了が近いことが伺えます。相場はここから上がってももう一段高が既定路線となっています。1000万円のレジスタンスを抜けることができれば、相場は再度上放れすることが予想されます。

先物市場は最高値圏では大きくロングポジションに偏っていた

(glassnode.com : ファンディングレート)
(glassnode.com : 先物価格乖離率)
  • 上記はビットコインの無期限先物取引のファンディング・レート(FR)と3ヶ月先の先物取引価格の乖離率を表した指標です。今週価格が最高値圏で推移していた際、FRは0.07%まで上昇していました。FRの推移としては、ここ2年間で最も高い水準となり、ロングポジションに偏っていました。また3ヶ月先の先物価格乖離率は、22%の上乖離となり強気に買われていました。今週の乖離率は1月の現物ETF承認前の水準を超え、今年最も高い値を記録しました。
  • 今週、価格が最高値圏から大きく下落した背景には先物市場でロングポジションの偏りがあったことが影響しています。今後も価格の下落時にはロングポジションの清算を巻き込んで下落幅が大きくなる可能性があるため注意が必要です。現在のFRは0.03%程度まで落ち着いていますが、再度上昇した際はリスクを下げたトレードに切り替えましょう。

ロングポジションとショートポジションの両方で清算が発生

(glassnode.com : ロングポジション清算推移)
(glassnode.com : ショートポジション清算推移)
  • 上記はデリバティブ市場のロングポジションとショートポジションの清算推移を表しています。最近の相場では短期で上下に大きく動くことが増えてきているため、両方のポジションで清算が発生しています。
    足元では今週5日、ドルベースで最高値6万9000ドルから6万ドル近辺まで下落した際には、合計で1億8000万ドル近いロングポジションの清算が発生しました。ショートポジション側では、今年初めて6万ドルに到達した2月28日に1億5000万ドルの清算が発生しています。
    相場の盛り上がりと共にデリバティブ市場では多くのポジションが積まれており、今後もボラティリティの高い相場が予想されます。

まとめ

  • ビットコインは今週、1000万円にタッチという歴史的な相場となりました。高値から大きな下落も発生しましたが、即座に買い戻され底堅い展開となりました。一方、1000万円のレジスタンスでは再度売られる可能性も高く、高値警戒が必要です。デリバティブ市場ではロングポジションとショートポジションの両方で大きな清算が相次いでおり、ハイレバのトレードには注意です。ADXの推移からは上昇トレンドが煮詰まっていることも示唆されており、短期で利益が出ているポジションは利確を考慮してもいい頃合いでしょう。

|編集:CoinDesk JAPAN編集部
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