- デリビットのデータによると、権利行使価格20万ドルのビットコイン・コールの取引が活発で、これは暗号資産(仮想通貨)市場の相場の約3倍に相当する。
- オプションの建玉は、ビットコインの価格上昇とともに記録的な高水準に急騰している。
ビットコイン(BTC)の価格が今後数カ月で3倍に上昇した場合に元が取れるオプションに2021年のような関心が集まっており、野生的なスピリットが市場に戻ってきたようだ。
3月8日、デリビット(Deribit)に上場された権利行使価格20万ドルのビットコイン・コール・オプションの想定建玉は2000万ドル(約30億円、1ドル=150円換算)を超えた。この権利行使価格はビットコインの市場レート、約6万7000ドルのほぼ3倍である。
Deribit Metricsのデータによると、このうち1460万ドル(約22億円)は12月27日に満期を迎える20万ドルのコールにロックされており、残りは6月と9月を期限切れとするストライクに集中している。
理論的には、12月31日に満期を迎える権利行使価格20万ドルのいわゆるディープ・アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)コールを買うことは、ビットコインがその水準を超えて年を越すことに賭けている。
コール・オプションは、投資家に後日、原資産を設定価格で購入する権利を与える。コールの買い手は暗黙のうちに市場に強気である。想定建玉とは、ある時点でアクティブなオプション契約にロックされている米ドル価値を指す。主要な暗号資産オプション取引所であるデリビットでは、オプション1契約は1BTCに相当する。
20万ドルのストライク・コールは、ビットコインが2021年に6万ドルを超えて取引された際、非常に人気があった。
ディープOTMストライクへの最新の関心は、差し迫ったビットコインの半減による供給削減が需給不均衡をさらに強気派に有利に歪め、最終的に価格を6桁に押し上げるというコンセンサスと一致している。
ウォール街がアメリカのビットコインスポット上場投資信託(ETF)を受け入れたおかげで、需給バランスは1:10に拡大した。ビットコインは今週初めに6万9000ドルを超え、直近では6万7000ドル近辺で取引されており、年初来の上昇率は59.7%に達した。より広範な市場指標であるコインデスク20指数(CD20)は45%上昇している。
そして、この上昇によってオプション市場全体は活況を呈した。デリビットでは、ビットコインオプションの建玉総額は204億ドル(約3兆600億円)に急増し、2021年10月の143.6億ドル(約2兆1540億円)を上回った。同様に、イーサリアム(ETH)のオプションの建玉は116.6億ドル(約1兆7500億円)と、過去最高の水準まで急増している。
ディープOTMコールは、市場レートに近いストライクや市場レートより低いストライクのコールより割安だ。このため、ディープOTMコールの直接購入は宝くじに似ているとみなされることが多い。理論的には、損失はオプション購入のために支払ったプレミアムの範囲に限定されるが、満期前に相場が権利行使価格を上回れば、大きな利益を得ることができる。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Return of Animal Spirits? Bitcoin Traders Lock $20M in the $200K Call Option