- 「クジラ」と呼ばれるビットコイン大口保有者の増加ペースは、カイコ(Kaiko)によると遅い。
- 原因には利益確定売りなど、複数の要因が考えられる。
現在のビットコイン(BTC)強気相場を特徴づけるのは、ウォール街がビットコインETFを受け入れていることだ。ビットコインの上昇は「ミリオネア」を生み出している。しかし、2020年から2021年にかけての強気相場に比べれば、そのペースは遅い。
ビットコインは弱気相場のどん底から155%上昇した昨年に続いて、年初から70%上昇し、7万2000ドル(約1080万円、1ドル=150円換算)超の史上最高値を記録した。
パリを拠点とするカイコによると、100万ドル(約1億5000万円)相当のビットコインを保有するウォレット、すなわち「ミリオネアウォレット」は1日あたり2000個未満しか生まれていない。前回の強気相場では、1日あたり4000個以上のミリオネアウォレットが生まれただけでなく、1000万ドル(約15億円)相当を保有するウォレットが1日2000個以上生まれたことを考えると、その差は著しい。
ミリオネアを生み出すペースが遅いことは、強気相場がまだ初期段階にあり、資金流入のペースがピークに達していない可能性を示している。この結論は、ビットコインETFへの継続的な資金流入と、4月に予定されている半減期後の供給量減少によって、ビットコインは今後数カ月で15万ドル(約2250万円)超に上昇する可能性があるとする市場予想と一致している。
「これ(ミリオネアが生まれるペースが遅いこと)にはいくつかの原因が考えられる。1つ目は、資金流入がまだピークに達していないこと。2つ目は史上最高値更新に伴うクジラ(大口保有者)による利益確定。3つ目は、クジラが自身のウォレットではなく、カストディアンに保有資産を保管していること」とカイコは週刊ニュースレター内で述べた。
最近、通常は市場価格の2%以内に収まる買い注文と売り注文の流動性ギャップが5倍近くまで拡大しており、売り側に指値注文が積み上がっていること、つまり投資家が最高値付近で利益を確定しようとしていることを示している。
|翻訳・編集:行武 温
|画像:Shutterstock
|原文:This Bitcoin Bull Run Is Breeding Millionaire Whales at Slower Pace, Data Show