ナイジェリアとバイナンスの揉め事は続く──政府は同国ユーザー上位100人のリストを要求
  • ナイジェリアはバイナンスに対し、同国の上位100ユーザーのリストと過去6カ月間の取引履歴に関する情報を提供するように求めている。
  • 当局に拘束されたバイナンスの2人の幹部は罪に問われておらず、「単に人質として」拘束されているようだとフィナンシャル・タイムズは報じている。

ナイジェリアはバイナンス(Binance)に対し、同国の上位100ユーザーのリストと過去6カ月間の全取引履歴に関する情報を提供するよう求めているとフィナンシャル・タイムズ(FT)が3月12日に報じた

この要求は、ナイジェリアによるバイナンスのコンプライアンス責任者とアフリカ地域マネージャーの拘束が3週間目に入ったなかで行われた。

バイナンスのティグラン・ガンバリャン(Tigran Gambaryan)氏とナディーム・アンジャルワラ(Nadeem Anjarwalla)氏は、ナイジェリア政府に招かれて2月25日に首都アブジャに到着した後、ナイジェリアの国家安全保障局が運営する「ゲストハウス」で意に反して拘束されている。拘束された幹部の名前は伏せたまま、2月29日にこのニュースが報じられたが、3月12日に肩書きと名前が明らかになった。

ナイジェリア政府とバイナンスの間には、約260億ドル(約3兆9000億円、1ドル=150円換算)の追跡不可能な資金をめぐる紛争が起こっている。

FTによると、ナイジェリアはバイナンスを、自国通貨のナイラを安定させようとする政府の努力を損なうものと見ている。さらに、ナイジェリアはバイナンスに対し、未払いの税金を支払うように求めている。バイナンスはそのウェブサイトから取引用のナイラの項目を削除した。

ガンバリャン氏もアンジャルワラ氏も罪には問われておらず、「単に人質として」拘束されているとFTは「状況について説明を受けているある人物」の言葉を引用して報じた。その人物はまた、2人は厚遇されているとも語っている。

過去24時間の間に、バイナンスの広報担当者は 「ティグランとナディームを家族の元に戻すために、ナイジェリア当局に協力している」 と述べた。

FTは、バイナンス幹部の14日間の拘束を認めた裁判所命令を引用した。近く、延長審理が予定されているという。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ナイジェリア最大の都市・ラゴス(Shutterstock)
|原文:Binance-Nigeria Brawl Continues as Country Asks Exchange to Submit List of Top 100 Users